この世界に僕の存在理由は無かった。
誰にも必要とされない自分。
白黒で色の無い世界。
『生』と言うものをまったく感じる事がなかった。でも、彼女と出会い初めて必要とされた。初めて世界に色がついた。初めて『生』を感じられた。
しかし、今、目の前にいる彼女は眠れる森の少女。僕に二度と笑いかけてくれない。
二度と手を握っても温もりを感じない。
でも僕の存在理由は無くならなかった。
彼女は色々な男に弄ばれた挙げ句、ゴミの様に捨てられた。こんなのあんまりだ・・・
僕は表情を無くした。冷酷の仮面をつけ、ナイフをもって町を彷徨う。
そして今、僕の目の前には元は人間だった肉の塊・・・またハズレか・・・
「アイツ等に似た格好をしなけりゃいいのに・・・」
僕は夜空を見上げた・・・
「今日も空が綺麗だなぁ・・・」