この世界の何処かに『悪魔の門(デモンズゲート)』と呼ばれるものがある。
『悪魔の門(デモンズゲート)』は何処かに繋がっていてその中から『悪魔』と呼ばれる化け物が現れてから、人々の世界は崩壊した。
悪魔達の猛威に人は恐れ、発狂し、世界は混乱の一途を辿った。そんな中、一部の人間は対抗する手段として『礼装』と総称される、悪魔に有効な武器を人々は作り上げ、悪魔への抵抗を開始する。
そして人々は彼らを希望と敬意をもって悪魔と戦う彼らを『狩人(ハンター)』と呼んだ。
第一話 最悪コンビ結成!
極東の地が誇る最大の都市『帝都』この町に世界で唯一となる狩人養成の為の学園『聖十字学園』
この学園では『狩人』の候補生となる『狩人候補(シャスール)』達に対して悪魔への知識、対処法、実践訓練と言ったことを行い一流の狩人を育成するための学園である。
そんな学園の中庭の木の下で寝転びながら一人青年が学食で買ったパンを一人食べていた。
「あぁつまらねぇ。なんか楽しいことねぇかな」
青年―夜城カイムは一人ごちた。
カイムは不満だった、『狩人』になる為に知識を身につけるのは理解できる。ただ、あまりにも実際に対悪魔との戦闘訓練が少ないことに苛立っていた。
カイムは自分の白髪をガシガシと掻き、パンの最後の一欠を口に放り込むと木に立てかけてあった自身の悪魔武器『礼装』である大剣を背負い立ち上がる。
(どっかで素振りでもするか…)
そんな事を思いながら人気のないところへ移動しようとしたときである校内放送が彼の足を止めた。
『狩人候補、夜城カイム。至急、教員室まで来なさい。』
突然の呼び出しにカイムは疑問符を頭に浮かべる。
「なんだ?突然呼び出しか?楽しいことが起こる前触れってか?」
足を教員室へ向けて歩き出す。
その時、この呼び出しが楽しいことが起こる前触れではなく、自分にとって面倒な事になる前兆であることをカイムは知るよしもなかった。
―教員室
「狩人候補、夜城カイム入りまーす。」
気の抜けた挨拶をしながらカイムは教員室の中に入る。
部屋に入ると教員の一人からこっちだと声を掛けられ、そちらへ足を向ける。
自分を呼び出したと思われる教員の方に向かって行くともう一人ブロンドの長髪をツーサイドアップにしている少女がいた。
カイムは近くにあったイスを足で引き寄せ座る。
その様子を少女は怪訝そうに見ていた。
「よく来てくれた。狩人候補、夜城カイム並びにヴィネ=デカルト。」
ヴィネと呼ばれた少女は深々と頭をさげ、カイムは軽く会釈する。
「君達を呼んだのは、今度行われる、下位悪魔の討伐実践演習に関して君ら二人に学園から決まった事があるので先に通達をさせてもらう。」
カイムは特に深く考えず、実践訓練へ期待をはせていた。
ヴィネは真剣な表情で教員の言葉を待っていた。
「夜城カイム並びにヴィネ=デカルト両名は以降の実践訓練、コンビとして行動してもらう」
「「はあぁぁぁぁぁぁっ!?」」
教員の発表に二人はたまらず大きな声を上げ、教員に噛み付いたのはカイムであった。
「おいおいおいおい。なんで俺がこんなブロンドビッチとコンビ組まなきゃなんねぇんだよっ!」
「だーれがブロンドビッチですってっ!それにそれはこっちの台詞よっ!先生なんで私がこんな不良とコンビ組まなきゃいけないんですかっ!?」
二人の剣幕に教員も若干引きながら二人の問いに答えた。
「ヴィネ=デカルト。君は座学に関しては非常に優秀だ。主席と言ってもいいくらいだ。ただ…」
「ただ…なんですか?」
「実践訓練の成績に関してドベなのは如何なものかね?」
「うっ…それは…」
「夜城カイム。君は実践訓練に関しては、今、狩人達と引けを取らない戦闘能力だ。だが…」
「だが…?」
「中抜け、無断欠席、無断早退。授業態度は非常に悪い。まぁ言ってしまえば座学ではドベだ。」
「別に悪魔を狩れる力があればいいだろうが。」
「そうはいかない知識がなければ、いざと言う時対応できないし、知識があっても討伐する技量がなければ意味を成さないからね。と言うわけで、学園は両極端の君らをコンビとして組ませることにしたという訳だ。これから頑張ってくれたまえ。話は以上だ。」
その場を去っていく教師をヴィネは追いかけていく。
その光景を眺めながら、カイムは一人呟いた。
「冗談きついぜ。マジでよ…」
ここに史上最悪のコンビが誕生した瞬間だった。
この学園では『狩人』の候補生となる『狩人候補(シャスール)』達に対して悪魔への知識、対処法、実践訓練と言ったことを行い一流の狩人を育成するための学園である。
そんな学園の中庭の木の下で寝転びながら一人青年が学食で買ったパンを一人食べていた。
「あぁつまらねぇ。なんか楽しいことねぇかな」
青年―夜城カイムは一人ごちた。
カイムは不満だった、『狩人』になる為に知識を身につけるのは理解できる。ただ、あまりにも実際に対悪魔との戦闘訓練が少ないことに苛立っていた。
カイムは自分の白髪をガシガシと掻き、パンの最後の一欠を口に放り込むと木に立てかけてあった自身の悪魔武器『礼装』である大剣を背負い立ち上がる。
(どっかで素振りでもするか…)
そんな事を思いながら人気のないところへ移動しようとしたときである校内放送が彼の足を止めた。
『狩人候補、夜城カイム。至急、教員室まで来なさい。』
突然の呼び出しにカイムは疑問符を頭に浮かべる。
「なんだ?突然呼び出しか?楽しいことが起こる前触れってか?」
足を教員室へ向けて歩き出す。
その時、この呼び出しが楽しいことが起こる前触れではなく、自分にとって面倒な事になる前兆であることをカイムは知るよしもなかった。
―教員室
「狩人候補、夜城カイム入りまーす。」
気の抜けた挨拶をしながらカイムは教員室の中に入る。
部屋に入ると教員の一人からこっちだと声を掛けられ、そちらへ足を向ける。
自分を呼び出したと思われる教員の方に向かって行くともう一人ブロンドの長髪をツーサイドアップにしている少女がいた。
カイムは近くにあったイスを足で引き寄せ座る。
その様子を少女は怪訝そうに見ていた。
「よく来てくれた。狩人候補、夜城カイム並びにヴィネ=デカルト。」
ヴィネと呼ばれた少女は深々と頭をさげ、カイムは軽く会釈する。
「君達を呼んだのは、今度行われる、下位悪魔の討伐実践演習に関して君ら二人に学園から決まった事があるので先に通達をさせてもらう。」
カイムは特に深く考えず、実践訓練へ期待をはせていた。
ヴィネは真剣な表情で教員の言葉を待っていた。
「夜城カイム並びにヴィネ=デカルト両名は以降の実践訓練、コンビとして行動してもらう」
「「はあぁぁぁぁぁぁっ!?」」
教員の発表に二人はたまらず大きな声を上げ、教員に噛み付いたのはカイムであった。
「おいおいおいおい。なんで俺がこんなブロンドビッチとコンビ組まなきゃなんねぇんだよっ!」
「だーれがブロンドビッチですってっ!それにそれはこっちの台詞よっ!先生なんで私がこんな不良とコンビ組まなきゃいけないんですかっ!?」
二人の剣幕に教員も若干引きながら二人の問いに答えた。
「ヴィネ=デカルト。君は座学に関しては非常に優秀だ。主席と言ってもいいくらいだ。ただ…」
「ただ…なんですか?」
「実践訓練の成績に関してドベなのは如何なものかね?」
「うっ…それは…」
「夜城カイム。君は実践訓練に関しては、今、狩人達と引けを取らない戦闘能力だ。だが…」
「だが…?」
「中抜け、無断欠席、無断早退。授業態度は非常に悪い。まぁ言ってしまえば座学ではドベだ。」
「別に悪魔を狩れる力があればいいだろうが。」
「そうはいかない知識がなければ、いざと言う時対応できないし、知識があっても討伐する技量がなければ意味を成さないからね。と言うわけで、学園は両極端の君らをコンビとして組ませることにしたという訳だ。これから頑張ってくれたまえ。話は以上だ。」
その場を去っていく教師をヴィネは追いかけていく。
その光景を眺めながら、カイムは一人呟いた。
「冗談きついぜ。マジでよ…」
ここに史上最悪のコンビが誕生した瞬間だった。
byJTR