俺の前に現れた銀色の髪をもつ彼女はただただ幻想的でとても……
美しかった・・・・・・
―月夜の夜に―
「はぁ・・・・」
ものの見事に受験に失敗し晴れて俺は二浪することになった。
去年は試験途中に腹が痛くなりテストに集中できないわ。今回はインフルエンザで体調が最悪だった。まぁすべては俺のせい、自業自得なんだけど・・・・・・
諦めて就職しようかなとも思ったがやっぱり大学には出たいしと言う気持ちが強いからまた予備校に通うことにした。
まぁそれなりに頑張っているが・・・・・・
「う〜さぶっ。」
時計を見ると夜の十時半。十一時からぷっす○見たいんだよな・・・・・・。
しかし普通に帰ると一時間以上。へたすりゃ終わってる。
しかたない・・・・・・
なるべく早歩きで人に目を合わせないように、すたすた歩く。とにかく歩く。いや歩くしかない。今俺が通っている道は柄の悪いお兄ちゃん達がいっぱい居るんだよ。
でも一時間以内で家に帰れるから使わない手はない。そこまでしてぷっす○が見たいのかって?しょうがないじゃん今日はビビリ王なんだもん。
その時・・・・・・
ドンっと言う音と共に体が揺らぐ。
「いてぇな兄ちゃん。骨折れちまったよ。」
柄の悪い兄ちゃんがぶつかってくる。それとぶつかった位で骨が折れるか。お前は骨粗鬆症か
「すいません」
とりあえず謝っておけばいいだろう。
すると・・・・・・
「病院行くから金くれよ。金。」
まぁお決まりの台詞だな。金なんかそんなになく、まぁあっても金をやる気はないんだが……
「金なんてありませんよ。」
そういった瞬間この男のお仲間らしき人達がぞろぞろと……
俺、終わったな……
「調子こいてんじゃねぇぞっ!!あぁっ!?」
何処かの廃工場に連れて行かれた俺。お決まりの台詞と共に右頬にグーパンチが炸裂する。
痛ぇ。冗談抜きだ。口の中に鉄っぽい味がする。口の中切れたなこりゃ。
「そらよっ!」
今度は膝が俺の腹部に入る。
やばい。胃のものが全部出そうだ。
痛みでうずくまる俺を笑いながら蹴り飛ばす柄の悪い兄ちゃんたち。
あぁ。ぷっす○見たいなんて欲出すんじゃなかったな。ってか録画予約入れて来ればよかった。
あぁ痛いな。くそっ……
意識をギリギリで繋ぎ止めているその時。
「ぐへぁっ!」
変な声と共に俺の体に伝わっていた鈍い衝撃が無くなる。
ゆっくり閉じていた目を開くとそこには……
「おいっ!女っ!てめぇ何様のつもりだっ!」
「何様のつもりも何もそんな大人数でリンチするような輩に名乗る名はない。」
月の光を背に銀色の髪の少女は凛と言い放つ。
見た感じ俺と同い年くらいだな。
「御託はいいから、殴りたいなら殴ればいいだろ。まぁこちらも反撃させてもらうがな」
軽くその場でジャンプしながら柄の悪い兄ちゃんたちに言う。
「はっ。調子こいてんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!」
女に挑発されたからなのか物凄い剣幕で殴りかかる。
おいおい大丈夫か俺はしらねぇぞ……
しかしその瞬間……
「ふべらっ!」
なんとも間抜けな声を出し飛んでいく男。
顔面にはくっきり足の跡がついている。
「どうした。さっさと来い。正当防衛にしたいんだ。」
なんともまぁ余裕な発言で……
そして冒頭に戻る訳だ。
彼女はまるで舞でも踊るように男達の攻撃をかわし蹴りを決めていく少女に俺は目を奪われていた。
「くぁwせdrftgyふじこlpっ!?」
声にならない声を出して最後の一人が倒れた。
ふぅ……と彼女は息をはくと俺に近づき手を差し伸べる。
「立てるか?」
その言葉にあぁと返し彼女の手をとり立ち上がる。
「なんかその…悪い。迷惑かけたな。」
「何、気にすることはない。あれだけの人数だ。やられてもしょうがない。」
お前さんに言われると嫌味にしか聞こえねぇよ。おっと忘れてた…
「助けてくれてありがとな。」
「何がだ?」
何がって…
いやなにがって・・・
「助けてくれたろ?俺の事。」
「あぁ。まぁそんな礼を言われるようなことをしたつもりもないし、言われたのは初めてだが悪いものではないな。」
そう言ってくすぐったそうに笑う彼女の顔は先ほどとは違い幼く見える。
すると俺に背を向ける。
「さてキミも長居は無用だ。早く帰るといい。」
「あぁそうさせて貰うよ。最後に名前だけでも教えてくれないか?」
「いや、キミにはまた別の機会に自己紹介させてもらうよ。キミとはきっとまた逢える。」
顔は見えないけど微笑んでいる。そんな気がする。
「悪いが俺はこんな所通らないぞ?」
「私もだ」
「そうかい。ならお前の勘に従わせてもらうよ。」
彼女は歩き出す。それを見て俺も背を向け歩き出す。
この日はここまでだった。
彼女と出会った月夜から数日後……
俺は相変わらず毎日のように予備校に通い詰め勉強している。
家にいると漫画やらゲームに手が伸びて勉強に集中できんからだ。
予備校の自習できる場所を使い自習する。
「悪いが隣を使わせてもらっていいか?」
凛とした女性の声。俺はこの声を知っている。
「あぁ。使えよ。」
顔を上げるそこには居たのは……・
「ほらな。またあっただろ?」
「あぁ。お前の言ったとおりだ。」
月夜の晩に出会った銀色の髪を待つ少女がいた。
「さて約束だ自己紹介でもしようか。」
「あぁそうだな。俺もお前に名前教えてないからな。」
「なら二人同時に言ってみてはどうだ?」
「いいぜ」
「俺の名前は――――」
「私の名前は――――」
あの月夜の出会いから再び俺たちの時間は動き出す。
ものの見事に受験に失敗し晴れて俺は二浪することになった。
去年は試験途中に腹が痛くなりテストに集中できないわ。今回はインフルエンザで体調が最悪だった。まぁすべては俺のせい、自業自得なんだけど・・・・・・
諦めて就職しようかなとも思ったがやっぱり大学には出たいしと言う気持ちが強いからまた予備校に通うことにした。
まぁそれなりに頑張っているが・・・・・・
「う〜さぶっ。」
時計を見ると夜の十時半。十一時からぷっす○見たいんだよな・・・・・・。
しかし普通に帰ると一時間以上。へたすりゃ終わってる。
しかたない・・・・・・
なるべく早歩きで人に目を合わせないように、すたすた歩く。とにかく歩く。いや歩くしかない。今俺が通っている道は柄の悪いお兄ちゃん達がいっぱい居るんだよ。
でも一時間以内で家に帰れるから使わない手はない。そこまでしてぷっす○が見たいのかって?しょうがないじゃん今日はビビリ王なんだもん。
その時・・・・・・
ドンっと言う音と共に体が揺らぐ。
「いてぇな兄ちゃん。骨折れちまったよ。」
柄の悪い兄ちゃんがぶつかってくる。それとぶつかった位で骨が折れるか。お前は骨粗鬆症か
「すいません」
とりあえず謝っておけばいいだろう。
すると・・・・・・
「病院行くから金くれよ。金。」
まぁお決まりの台詞だな。金なんかそんなになく、まぁあっても金をやる気はないんだが……
「金なんてありませんよ。」
そういった瞬間この男のお仲間らしき人達がぞろぞろと……
俺、終わったな……
「調子こいてんじゃねぇぞっ!!あぁっ!?」
何処かの廃工場に連れて行かれた俺。お決まりの台詞と共に右頬にグーパンチが炸裂する。
痛ぇ。冗談抜きだ。口の中に鉄っぽい味がする。口の中切れたなこりゃ。
「そらよっ!」
今度は膝が俺の腹部に入る。
やばい。胃のものが全部出そうだ。
痛みでうずくまる俺を笑いながら蹴り飛ばす柄の悪い兄ちゃんたち。
あぁ。ぷっす○見たいなんて欲出すんじゃなかったな。ってか録画予約入れて来ればよかった。
あぁ痛いな。くそっ……
意識をギリギリで繋ぎ止めているその時。
「ぐへぁっ!」
変な声と共に俺の体に伝わっていた鈍い衝撃が無くなる。
ゆっくり閉じていた目を開くとそこには……
「おいっ!女っ!てめぇ何様のつもりだっ!」
「何様のつもりも何もそんな大人数でリンチするような輩に名乗る名はない。」
月の光を背に銀色の髪の少女は凛と言い放つ。
見た感じ俺と同い年くらいだな。
「御託はいいから、殴りたいなら殴ればいいだろ。まぁこちらも反撃させてもらうがな」
軽くその場でジャンプしながら柄の悪い兄ちゃんたちに言う。
「はっ。調子こいてんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!」
女に挑発されたからなのか物凄い剣幕で殴りかかる。
おいおい大丈夫か俺はしらねぇぞ……
しかしその瞬間……
「ふべらっ!」
なんとも間抜けな声を出し飛んでいく男。
顔面にはくっきり足の跡がついている。
「どうした。さっさと来い。正当防衛にしたいんだ。」
なんともまぁ余裕な発言で……
そして冒頭に戻る訳だ。
彼女はまるで舞でも踊るように男達の攻撃をかわし蹴りを決めていく少女に俺は目を奪われていた。
「くぁwせdrftgyふじこlpっ!?」
声にならない声を出して最後の一人が倒れた。
ふぅ……と彼女は息をはくと俺に近づき手を差し伸べる。
「立てるか?」
その言葉にあぁと返し彼女の手をとり立ち上がる。
「なんかその…悪い。迷惑かけたな。」
「何、気にすることはない。あれだけの人数だ。やられてもしょうがない。」
お前さんに言われると嫌味にしか聞こえねぇよ。おっと忘れてた…
「助けてくれてありがとな。」
「何がだ?」
何がって…
いやなにがって・・・
「助けてくれたろ?俺の事。」
「あぁ。まぁそんな礼を言われるようなことをしたつもりもないし、言われたのは初めてだが悪いものではないな。」
そう言ってくすぐったそうに笑う彼女の顔は先ほどとは違い幼く見える。
すると俺に背を向ける。
「さてキミも長居は無用だ。早く帰るといい。」
「あぁそうさせて貰うよ。最後に名前だけでも教えてくれないか?」
「いや、キミにはまた別の機会に自己紹介させてもらうよ。キミとはきっとまた逢える。」
顔は見えないけど微笑んでいる。そんな気がする。
「悪いが俺はこんな所通らないぞ?」
「私もだ」
「そうかい。ならお前の勘に従わせてもらうよ。」
彼女は歩き出す。それを見て俺も背を向け歩き出す。
この日はここまでだった。
彼女と出会った月夜から数日後……
俺は相変わらず毎日のように予備校に通い詰め勉強している。
家にいると漫画やらゲームに手が伸びて勉強に集中できんからだ。
予備校の自習できる場所を使い自習する。
「悪いが隣を使わせてもらっていいか?」
凛とした女性の声。俺はこの声を知っている。
「あぁ。使えよ。」
顔を上げるそこには居たのは……・
「ほらな。またあっただろ?」
「あぁ。お前の言ったとおりだ。」
月夜の晩に出会った銀色の髪を待つ少女がいた。
「さて約束だ自己紹介でもしようか。」
「あぁそうだな。俺もお前に名前教えてないからな。」
「なら二人同時に言ってみてはどうだ?」
「いいぜ」
「俺の名前は――――」
「私の名前は――――」
あの月夜の出会いから再び俺たちの時間は動き出す。
Fin
あとがき
『おいっ!主人公名前わかんねぇよっ!』とか『こんなキャラどっかで見たぞっ!』とかはご愛嬌。
隙間が多いのはそう言う仕様なんで気にせんといてください。
主人公たちの名前は脳内変換でよろしく。
自分の名前やら想像した名前を当てはめて読んでくれるとうれしいな。
機会があったらまた書きます。
『おいっ!主人公名前わかんねぇよっ!』とか『こんなキャラどっかで見たぞっ!』とかはご愛嬌。
隙間が多いのはそう言う仕様なんで気にせんといてください。
主人公たちの名前は脳内変換でよろしく。
自分の名前やら想像した名前を当てはめて読んでくれるとうれしいな。
機会があったらまた書きます。