雨は誰でも少なからず憂鬱になる。
俺も憂鬱である。とても憂鬱である。こんなにも鬱な日に授業・・・いやになる・・・。
窓の外はダムでもひっくりかえしたかのような土砂降り。
教室の中は空気中に水滴でも浮いているような湿度。
こんな日に転校してくるやつがいるらしい・・・。初日がこんな日だとは、かわいそうに。
ガラ・・・。
教室にドアの音が響く。
先生が教卓に手をつく。
みんなの期待はドアに向く。転校生は女らしい
「え〜」
おじいちゃん先生が話しだす。
「転校生は・・・雨の為・・・欠席です・・・。」
はい?そんな理由でこないなんて、変なやつ。それがあいつへの最初の印象だ。