かつてその大陸で、
手にした者に無限の力を与えてくれるという「光の宝玉」をめぐって、
竜族と人間との間で戦争が起こった。
人間は竜族を皆殺しにし、絶対的な力を手にした。
しかし、その力は人間に扱える代物ではなく、手に余る力は暴走を起こし、
大陸中の殆どの生命を、一瞬にして奪ってしまった・・・。

それから遥かなる時を刻み、現代。
惨劇の中僅かに生き残った人間は、かつての栄華を取り戻しつつあった。
しかし、かつての惨劇を忘却の彼方に、
人類は再び、同じ過ちを繰り返そうとしていた・・・。
第1話 始点
いつもと変わらぬ登校風景、
AS高校の生徒達が校門前の長い長い坂道をゾロゾロと歩いていた。
「おいケンジ!今朝のニュース見たかよ!」
2−4浅田トシオ、今日も朝からテンションが高い。
「あぁ?何かあったのか?」
そんなトシオにケンジはいかにもダルそうに答えた。
「それがさ、なんでも数千万年も前に使われてたっていう古代兵器が発掘されたんだって。」
「ふぅん、で、なんだ?そんなに昔じゃ、投石器かなんかか?」
「ムフフフフ、聞いて驚けぇ、なんと!!・・・なんだっけ?」
「・・・おい。」
「・・・そうだ!他の奴らもニュース見てるだろうから誰かに訊けばいいんだ!
 おーぃ今朝のニュース見たぁ〜?
朝からテンション爆発の男は見も知らぬ前方の女子集団に突っ込んでいった。
が、ソッコーで袋叩きになる。
「ガハッ」
「・・・」
今日も平和な時が過ぎる。しかし、その時間も残リあと僅かであることを、二人は知らない。
by図書神