= 真実への始まり =

「あっ・・・あぁ・・・あぁ!!」

 僕が居る世界
それは、何物にも変えがたいであろう素晴らしい世界だ。
あらゆる夢と希望が叶った理想の世界。
僕も冒険者としてこの素晴らしい世界を旅してきた。

「嘘だ・・・こんなの・・・嘘・・・だ」

 でも・・・
僕は見てしまった。
この世界の真実を、この世界の裏側を・・・

「違う・・・こんなの、違う・・・違う!!」

この世界が・・・

「信じられない、信じられるわけ・・・ない!・・・嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ・・・」

ハリボテの箱庭の世界だということを・・・

「うそだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 頭が割れそうな気分。
 目の前にある光景に否定する自分。
 目の前にある光景の真実を認める自分。
二人の自分が自分の中でぶつかり合い。せめぎ合い自分が自分でなくなりそうで
自分が壊れてしまいそうな・・・
そんな痛みが体を蝕み続ける。

「あっ・・・あぁぁ!!」

 僕は一人。世界の外側を見て、自分を失おうとしている。
僕は一人。世界の外側を見て、世界の真実にふれている。
僕は一人。世界の外側を見て・・・

「うっ・・・あぁ・・・あがぁぁぁ・・・うぐぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 本物を取り戻す為に僕はたった一人

「・・・ひどいよ・・・無茶苦茶だよ。滅茶苦茶だよ・・・ホントに・・・。」

この世界の・・・箱庭の世界の敵となった。

「もう後に・・・引けないよ・・・。」


始まりは痛く苦しい始まりだった。
終わりは見えない闇の先。
これから綴られる物語は。
誰にも語られらない。
誰にも知られる事のない。

あまりにも寂しい詩の・・・
あまりにも悲しい詩の・・・

幕開けである・・・。