第3話 惨劇
次の日・・・
ケンジはいつものように登校している、そこに後ろからトシオがやってくる。
「ちーす。聞いたか?例の古代兵器が発掘された場所、隣町らしいぜ!!」
と朝からテンションが相変わらず高い。
「へー・・・」
こちらも相変わらずダルそうに答える。
「何だよー!?その反応は?気にならないのかよ?そうだ!今日の放課後行こうぜ!」
「エー?面倒くさいよ」
とさらにダルそうに答える。
「とにかく、放課後行くぞ!!強制だ!!」
・・・押し切られた。
(まあ、少し気になるし、行ってみるか)

放課後・・・
「よっしゃー!!終わったー!!いざ行こう未開の地へ」
朝よりさらにハイテンションになっている。
「未開の地って・・・隣町だろ。」
あきれた顔でケンジは言った。
「ケ、ケンジ君こ、こんにちは」
と後ろ髪を両後ろで結んでいる女の子が話しかけてきた。
「あっ!野崎。ちーす。」
彼女の名前は野崎チヅル。ここら辺では有名な資産家の娘である。
「なんだか楽しそうだけど、どうしたの?」
顔赤らめながら少し小声になりながら言った。
「俺たちこれから例の発掘現場に行くのだ!」
馬鹿に元気な声でトシオが言った。
「へーそうなんだ。じゃあ私も一緒に・・・」
さらに顔を赤めてケンジのほうを向いて言った。トシオは眼中にないようだ。
「一緒に私も・・」
「おーい。チヅル。先生が課題のプリント出せってさー。今日中に!」
割り込むように向こうから女子がチヅルに向かって言った。
「わ、わかったー。じゃあ・・・また今度」
かなり落ち込んだ様子でケンジたちを後にした。
(先生の馬鹿―!!!)
とチヅルは心の中で叫んだ。
そしてケンジ達はチヅルと別れてから、早速発掘現場に向かった。

発掘現場・・・
そこは既に人ごみで溢れていた。
だが、まだ運搬作業は始まっていないらしい。
「くっそー。何処にあるんだよ古代兵器はー!?」
トシオが爪先立ちしながら人ごみの中で向こうを見ている。
「何か発掘されたのってなかなか運べないらしいぜ」
と人ごみの中から聞こえる。
「一応まだあるみたいだな」
ケンジが気合のない声で言った。
人ごみを分けながらやっと前に出ることができた。
そして前を見た瞬間、従業員の首が無くなった。
それにみんなが気づいた瞬間、従業員が次々と死んでいく。
人間が人間ではなくなるくらいにバラバラに、肉片と化していく。
人々は逃げていった。我先にと掻き分けて。
「わー。何なんだー!」 「死にたくないー!!」
人々が逃げる先では人間が粉のようになっていく。
ケンジ達も逃げようと必死に走る、しかし何処に逃げていいのかわからない。
っとそこに廃材置き場のブルーシートを発見した。
ケンジ達は咄嗟にその中に身を潜める。
息を殺して、そっと外を見てみると、
何人死んだかわからないくらいの血が溢れ返っていた。
「くそー!何がどうなっているんだよー!?」
トシオが震えながら言った。
しばらくするとそこに一人の少年と少女が現れた。
一人は赤い髪の毛でポニーテールをした女の子。
もう一人は黒い髪の毛と赤い目をした少年だった。
by鱈の子