次の日・・・
ケンジはいつものように登校している、そこに後ろからトシオがやってくる。
「ちーす。聞いたか?例の古代兵器が発掘された場所、隣町らしいぜ!!」
と朝からテンションが相変わらず高い。
「へー・・・」
こちらも相変わらずダルそうに答える。
「何だよー!?その反応は?気にならないのかよ?そうだ!今日の放課後行こうぜ!」
「エー?面倒くさいよ」
とさらにダルそうに答える。
「とにかく、放課後行くぞ!!強制だ!!」
・・・押し切られた。
(まあ、少し気になるし、行ってみるか)
放課後・・・
「よっしゃー!!終わったー!!いざ行こう未開の地へ」
朝よりさらにハイテンションになっている。
「未開の地って・・・隣町だろ。」
あきれた顔でケンジは言った。
「ケ、ケンジ君こ、こんにちは」
と後ろ髪を両後ろで結んでいる女の子が話しかけてきた。
「あっ!野崎。ちーす。」
彼女の名前は野崎チヅル。ここら辺では有名な資産家の娘である。
「なんだか楽しそうだけど、どうしたの?」
顔赤らめながら少し小声になりながら言った。
「俺たちこれから例の発掘現場に行くのだ!」
馬鹿に元気な声でトシオが言った。
「へーそうなんだ。じゃあ私も一緒に・・・」
さらに顔を赤めてケンジのほうを向いて言った。トシオは眼中にないようだ。
「一緒に私も・・」
「おーい。チヅル。先生が課題のプリント出せってさー。今日中に!」
割り込むように向こうから女子がチヅルに向かって言った。
「わ、わかったー。じゃあ・・・また今度」
かなり落ち込んだ様子でケンジたちを後にした。
(先生の馬鹿―!!!)
とチヅルは心の中で叫んだ。
そしてケンジ達はチヅルと別れてから、早速発掘現場に向かった。
発掘現場・・・
そこは既に人ごみで溢れていた。
だが、まだ運搬作業は始まっていないらしい。
「くっそー。何処にあるんだよ古代兵器はー!?」
トシオが爪先立ちしながら人ごみの中で向こうを見ている。
「何か発掘されたのってなかなか運べないらしいぜ」
と人ごみの中から聞こえる。
「一応まだあるみたいだな」
ケンジが気合のない声で言った。
人ごみを分けながらやっと前に出ることができた。
そして前を見た瞬間、従業員の首が無くなった。
それにみんなが気づいた瞬間、従業員が次々と死んでいく。
人間が人間ではなくなるくらいにバラバラに、肉片と化していく。
人々は逃げていった。我先にと掻き分けて。
「わー。何なんだー!」 「死にたくないー!!」
人々が逃げる先では人間が粉のようになっていく。
ケンジ達も逃げようと必死に走る、しかし何処に逃げていいのかわからない。
っとそこに廃材置き場のブルーシートを発見した。
ケンジ達は咄嗟にその中に身を潜める。
息を殺して、そっと外を見てみると、
何人死んだかわからないくらいの血が溢れ返っていた。
「くそー!何がどうなっているんだよー!?」
トシオが震えながら言った。
しばらくするとそこに一人の少年と少女が現れた。
一人は赤い髪の毛でポニーテールをした女の子。
もう一人は黒い髪の毛と赤い目をした少年だった。
第3話 惨劇
by鱈の子