赤髪の少女はダルそうに言う。
「まったく。物珍しさで寄り付くのは人間の悪い癖だ。」
と相方の少年。
そうして話している間にも続々と肉の塊が増えていく。
「あれは私達の物なんだから。返してもらうわよ!」
「はぁ・・・はぁ・・・」
「なっ、なんだったんだあれは・・・」
発掘現場から離れること数百m、ケンジ達はその場にへたり込んだ。
「くっ、あんなの聞いてないよ、何なんだあれは・・・」
トシオはまだ混乱している。
「いきなりあれはないよ・・・古代兵器を見にきただけなのに・・・」
ケンジも同様だ。
「あ、けっ・・・ケンジ君・・・」
声の方へ向くと見慣れた少女が、チヅルだ。
「お前も来てたのかよ。こんな危ない所に」
ケンジは心配そうに言う。
「ううん、今ちょっと来てみただけなんだけど・・・何かあったの?」
「何かあったも何もあれはひどかったよ」
トシオが今さっき起こったことを説明する。
「そう・・・そんな事が・・・」
「だから、オレらは命からがら逃げて・・・」
ドォン!!
ケンジがそう言いかけたところで、後方から巨大な衝撃音が聞こえた。
「な、今度は何だ!?」
衝撃音とともにそこに居た3人が振り向く。
古代兵器の近く、さっきまでケンジ達が居た場所だ。
そこにはもくもくと煙が上がっていた。
「・・・・これは何だろう・・・レオ?」
レオと呼ばれた少年は振り向き
「何だ・・・人間か・・・?エネルギーは大きいが。」
ユナという少女の方を向く。
煙から人影が現れる。
「・・・誰だ?」
レオが問う。
「どぅーもー、こんにちわー」
場に合わない、間の抜けた声。
「気になったから来てみたんだけどねー。アララこんなんなっちゃってぇー。」
どうやら高校生くらいの女性のような声だ。低くもなく高くもなく、よく通る声だ。
「キミタチがこんなにしてくれたのかなぁー?」
その声は一人、続ける。
その少女は棒のようなものを向ける。瞬間。閃光。
「・・・ふむ。」
少年は何かの力でそれを相殺し、少女と対峙する。
「お前何者だ・・・?人間か?」