第4話 展開
「あー、もー、ジャマジャマジャマジャマ!何でこんなに人間が(たか)ってくるのよ!」
 赤髪の少女はダルそうに言う。
「まったく。物珍しさで寄り付くのは人間の悪い癖だ。」
と相方の少年。
そうして話している間にも続々と肉の塊が増えていく。
「あれは私達の物なんだから。返してもらうわよ!」


「はぁ・・・はぁ・・・」
「なっ、なんだったんだあれは・・・」
発掘現場から離れること数百m、ケンジ達はその場にへたり込んだ。
「くっ、あんなの聞いてないよ、何なんだあれは・・・」
トシオはまだ混乱している。
「いきなりあれはないよ・・・古代兵器を見にきただけなのに・・・」
ケンジも同様だ。
「あ、けっ・・・ケンジ君・・・」
声の方へ向くと見慣れた少女が、チヅルだ。
「お前も来てたのかよ。こんな危ない所に」
ケンジは心配そうに言う。
「ううん、今ちょっと来てみただけなんだけど・・・何かあったの?」
「何かあったも何もあれはひどかったよ」
トシオが今さっき起こったことを説明する。
          
「そう・・・そんな事が・・・」
「だから、オレらは命からがら逃げて・・・」
ドォン!!
ケンジがそう言いかけたところで、後方から巨大な衝撃音が聞こえた。
「な、今度は何だ!?」
衝撃音とともにそこに居た3人が振り向く。
古代兵器の近く、さっきまでケンジ達が居た場所だ。
そこにはもくもくと煙が上がっていた。
「・・・・これは何だろう・・・レオ?」
レオと呼ばれた少年は振り向き
「何だ・・・人間か・・・?エネルギーは大きいが。」
ユナという少女の方を向く。
煙から人影が現れる。
「・・・誰だ?」
レオが問う。
「どぅーもー、こんにちわー」
場に合わない、間の抜けた声。
「気になったから来てみたんだけどねー。アララこんなんなっちゃってぇー。」
どうやら高校生くらいの女性のような声だ。低くもなく高くもなく、よく通る声だ。
「キミタチがこんなにしてくれたのかなぁー?」
その声は一人、続ける。
その少女は棒のようなものを向ける。瞬間。閃光。
「・・・ふむ。」
少年は何かの力でそれを相殺し、少女と対峙する。
「お前何者だ・・・?人間か?」
byあげ