「お前は何者だ……? 人間か?」
レオの質問に対し、少女は答える。
「ボク?ボクはそうね………魔法使いの"フロウ"とでも名乗っておこうかな☆」
その人を小バカにしたような発言にレオはムッとしたが、なんとか抑えた。
「……魔法使い??」
赤い髪のポニーテールを揺らしながら、ユナは素直な疑問をぶつける。
「そう。魔法使い。知らない?かわいい女の子が魔法を使って人々を助けるの」
"フロウ"と名乗る少女は親切にユナに教えてあげた。
すると、ユナは、
「いいなぁー!! 私もなりたい!! 魔法使い!!」
と、まるで小さな女の子が母親に欲しい物をねだるように言った。
その瞳をウルウルと輝かせて。
「駄目だよ。だって君たちは……」
フロウはそこで言葉を止める。
「だって君たちは?」
ユナが聞き返す。
「ボクに殺されるんだから……」
バチッ!!
その瞬間、フロウの持っていた棒からユナに向かって閃光が走る。
あまりに突然の事でユナは動けない。
みるみると閃光は近づいていき………
「危ないっ!!」
寸でのところでレオがユナを抱きかかえ、その場を離れる。
ドォーンッ!!
閃光が当たった岩が粉々になった。
「ぁん、ぉしぃ☆」
フロウはまるで楽しんでいるかのような声を発した。
「お前が何者か知らんが、ユナを傷つけようとする奴は許さねぇ!!」
レオは抑えていた怒りを爆発させる。
そして腰を低くし、フロウに向かって構えた。
第5話 対決
by絶望君