もうすっかり夜があけ、朝焼けが二人を照らしていた。
そのころチヅルはある作戦を考えていた。
「チヅルお嬢様そういうことは私たちにお任せください。」
とメイドのアーティーが言うのだが
「ケンジ君って以外にタコさんウインナーとか好きなのよね〜♪」
と周りの声が聞こえないほどに張り切っていた。
「明日はケンジ君の家の前で待ってよーっと♪」
チヅルとケンジの家は走って1〜2分と近い。
朝8時
「あ〜クッソだりーなー」
ケンジの声だ。
だがチヅルは寝ていた、朝6時から待っていたのだ。
『ガチャ』
ケンジ家の門が開く。
チヅルはびっくりして飛び起きた。
「あっ!!おっおっおあよ〜う、きょ今日はおへんとー作ったはら食へて」
だがケンジは気づかないもう一度言おうと思った、その時
「ケンジのママさんいってきまーーす!!!」
聞き慣れたハイテンションの声がした、トシオだ。夜のことが嘘みたいに元気だ。
ケンジがチヅルの存在に気づく。
「おめー何やってんの?」
チヅルはお弁当をササッと隠した。
「えっ?いや・・・うーんと・・・」
「まーいいや 俺コンビニ寄ってから行くからトシオ達は先に行ってろよ んじゃ!」
(何て言おう?・・・ったく何でこういう時にトシオがいるのよ〜もう!)
「って!えっ?あれ?ケンジは???」
「コンビに行ってから行くって!だから先に行こう!俺と一緒に学校という楽園へ〜」
と手を伸ばす。
「嫌だー!死んでも嫌―!!・・・うわぁ〜ん(涙)」
二つに結んだ髪が道と平行になるくらいの速さでチヅルは行ってしまった。
トシオは呆然としOTLのポーズをしたまましばらく動けなかった。
トシオがOTLのときケンジはコンビニで昼ごはんを買っていた。
「あったあった!これこれ〜これがうまいんだよ〜」
「おっはよー♪」
「どわ!!」
偶然(?)にもユナが来た。
「おっおまえ何でこんな所にいるんだよ今度は何だよ!俺を殺しに来たのかよ!」
「ううん、ブッブー〜はーずれー♪」
胸の前で手を交差させて×の字をつくった。
二人はコンビニを出て歩き始めた。
「あれ?そういやーもう一人どうしたんだよ?名前なんだけな?」
「レオだよ〜レオ・ブラック!一応私の彼氏なんだよーん♪うらやましいだろ〜?」
「ふーん・・・でっ?俺に何のようだ?」
「私の話スルーすんなよ!wまーいいや、今のお仕事はあなた達の力が解放されないように見張ってるの♪」
「ふーん、そらーご苦労なこった」
そんなことを話してるうちに二人は学校に着いた。
「おっはよー!!みんな元気〜?♪」
教室中に響く高い声。
「元気でーす!!!」
女子はあまり反応がないが男子は単純だった。
4時間目が終わり昼食時間ケンジはトシオのクラスに向かう。
「やっと終わったぜ〜だりーなー!トシオー昼飯食いに行こうぜー」
「おーう」
トシオとは思えないほどテンションが低い。
「どうしたんだよ?」
「財布落とした、多分あの時だと思う、今日飯抜きだよ(涙)」
「んじゃ俺の分けてやるよその代わりおまえがこれ屋上に持って来いよあと割り箸もな」
「おう!そうこなくっちゃな!!」
早くもいつものテンションに戻っていた。
ケンジが屋上に着くとそこには意外にもチヅルがいた。
「あっあのーお弁当作ってきたんだけど、よっ良かったらケンジ君いっ一緒に食べない?」
「えっ?うん・・・まーいいけど」
二人とも顔が真っ赤になっている、そこにトシオが来る。
「そのカップ麺おまえにやるよ」
「おっおう!ありがとう!」
「チヅルーこのウインナー独特な形してんなー火星人か?」
「違うよー!タコだよー!タコさんウインナー!!」
「うん!知ってるし(笑)」
「うはwwwwwwwwテラウザスwwwwwwwwwwwwwwうえっwwうえっww」
そんな二人をトシオはカップ麺を食べながら横目で何度も見る。
最初は羨ましくてOTLだったがいつの間にか(これも青春だなぁ)と思い長い昼食時間が終わった。
第9話 真実
byホライゾン