京都駅につき少しずつ、嫌な胸騒ぎがしてきていた・・・
「何だろうね。この胸に突っかかる嫌な気分・・・」
ユナがそんな事を言い出してきた。
「確かに・・・。なんかやばくなってきたんじゃない?」
チヅルまで言い出してきた。
「大丈夫。おそらく火竜だろう。あいつはすぐにやられるわけはない。」
レオは口ではそんなことを言っても不安を隠せなかった。
「着いた!!早くしろ!!すぐ近くだ!!」
レオが早口で、しかし慌てて走り出した。
少しずつ・・・少しずつ・・・歯車は回りだす・・・
破滅への運命が・・・
「よし!!この階段を上がればもうすぐだ!!」
さすがのレオも息切れしていた。
「はぁ・・はぁ・・・平気・・・なんじゃないの?」
つかれた様子でケンジが言ってきた。
「そうだ。おそらくだが・・・」
レオも不安になってきたらしい。
その時・・・
すぐ近くで爆発があったのかとてつもない爆音がした。
「なんだよ!!」
トシオが叫ぶ!
「煙がすごくて何も見えない・・・」
チヅルがいった。
「少しずつ・・晴れてきた・・・」
ケンジがしゃべる。
「あそこの誰か倒れてる!!」
ユナが叫んだ。
それは紛れもないムスペルだった。
「あは。もう終わり?」
フロウが楽しそうにいう。
「貴様ーーーーー!!!」
レオが飛び足した。しかし・・・「あーもう!かっこ悪いっていうんだよね!そういうの!!」
レオが一瞬で殺られた・・・しかしレオは生きているようだった。かろうじてよけたらしい。
「早く逃げて!!ここはあたしが抑えるから・・・」
ケンジとチヅルとトシオは逃げようとした。しかし・・・
「なにこれ!!」「出られない!!」「・・・うそだろ」
「そうそう。君たちが逃げないようにバリアをはらせてもらったよ。」
フロウが楽しそうにいった。
「よそ見してんじゃないよ!!」
ユナが怒りに任せながら叫んだ。けれどレオが一瞬で殺られた相手。
ユナが太刀打ちできるわけもなく、倒された。
「さぁ後は君たちだけ・・・あっけない幕切れだな。もうあまり時間も残されていない・・・」
フロウはそういって三体の人形を出してきた。
「さぁ終わりだ!!」
しかしその三体が殺られた。
「何!?」
それはケンジだった。
「こんなとこで死んだら大事な話ができなくなるんでね。」
「・・・くっ」
フロウが珍しくイラついた。
「ケンジ・・・お前・・・」
トシオがはじめてみるケンジに驚いていた。
本当はケンジも驚いていた。まさかこんな形であれが役立つとは思わなかった。
それは父親が必ず持っていた小刀だった。
少しだけ役立ったらしい。
しかしケンジも限界だった・・・
「くっ・・・」
いきなりひざを折るケンジ。
さっき二人をかばったときに少し食らったらしい。少しとはいってもケンジは一般人。
少しでもきついんだろう。
「あは。終わりにしようぜ!!」
フロウが迫り来る。
ケンジは目を凝らしてよく見ようとした。しかし・・・むなしく・・・
ケンジは胸を貫かれた。
そうケンジは死んだのだ。
そして死んだことによって本当の力がよみがえるのである。
ケンジの目のまえが明るくなった。
「ここは?・・・」
「・・・きがついたか?」
「うわぁ!」
ケンジがすごいリアクションで起き上がる。
「そんなびっくりしなくても」
「あんただれ?」
ケンジが問う。
「あんた?。私の名はピー‐ーーーーーーーだ。」
聞こえない
「そうか聞こえないか。」
とても大きな人。
なんだか懐かしい声。
いつもそばにいたような感じ。
だけど・・・思いだせない。
「あっ!!俺を早くここから出してくれ!!」
ケンジが叫んだ。
「それは無理だ。」
ピーーーがいう。
「なんで!!」
ケンジがまた叫ぶ。
「貴様は死んだのだ。」
「・・・死んだ?俺はここで死んだらだめなんだ!!」
「なぜ?」
「まだいってないことがたくさんあるんだよ。」
「そうか・・・出てやつに殺されるか?それとも出て逃げるか?」
「違う!!出て守るんだ!!あいつらを!!」
「そうか・・・いい答えだ。」
少しその人が笑った。
「いいだろう出してやる。」
「本当か!!」
ケンジがうれしそうにいった。
「あぁ。ただし守る力が欲しいか?」
「守る力・・・」
ケンジが考える。「欲しい!!いや、なきゃだめなんだ。」
「ふっ・・・いいだろうその小刀の本当の力を教えてやる。」
「いいか?出た瞬間に、念じろ。守る力が欲しいと。」
「わかった。」
ケンジが自信に満ちていた。
「いくぞ」
そして・・・光が抜けていく。
フロウがすぐ近くにいた。
「へぇーまだ生きてたの。」
「うるさい。」
いくぞ!!ケンジが叫んだ!
「われに守る力を!!」
フロウが何メートルかとんだ。
「何!!」
あの人が出てきた。
「いくぞ・・・」
「叫べ!わが名は守護零刀!!!」
いったい守護零刀とは?つづく。
第15話 運命
by最強のD.C.使い