第27話 夕焼
ケンジが家に帰ってきた。
「だだいまー」
その声とほぼ同時に返事がくる。
「おかえり〜ケンちゃん今日は遅かったわね、何かあったの?」
「あー、文化祭の練習。だからこれから練習あっから晩くなるわ」
「そう、がんばってね。」
かったるそうにケンジは手を振ふり自分の部屋に入る。
自分の部屋につくとあの不思議な本を読んだ。
よくみると右上に小さな文字が書かれていた。
「何だこれ、うーん・・・寝不足かな?ぼやけて見えねーよ」
ケンジは机の引き出しにあった虫眼鏡を使って見た。
そのには1ページ毎に日付が書いてあった。
「もしかして・・・これは日記か?」
そう思うと少しの間考え込んでいると『バッ!』っと立ち上がり母親のところへ行った。
ケンジは聞いた。
「俺の親父って戦争で死んだって言ったよな?」
「いきなり何よ?どうしたのケン・・・」
「どうなんだよ!本当に戦争で死んだんだな?」
「んもー・・・そうよケンちゃん、あなたの父さんは戦争で死んじゃったのよ、それでケンちゃんが持ってる小刀がそのとき父さんが握っていた物よ。」
「んじゃこの本知ってる?」
そう言うとケンジは背中の後ろに隠していたあの本を出した。
「何それ?私は知らないわ」
「本当に!?これ最後に月島って書いてあるんだけど?」
そう言うとケンジの母親は少し動揺した。
「・・・・それどこにあったの?」
あまり見たことのない母親の真剣な顔にケンジはうろたえた。
「バイト先の古書松吉の松吉さんからもらったんだ。」
「やっぱり松吉おじぃさんか・・・ってことは竜族と天使族のことはもう知っちゃってるってことよね・・?」
「お父さんのこと詳しく教えてくれよ!」
ケンジは必死に頼んだ。
「いいわ・・ずっと前私が松吉おじぃさんから聞いた話よ・・・・」
そういうと母親は話し始めた、その話は3時間にも及んだ。
今まで人の話はろくに聞かなかったケンジがいままでにないくらいその集中していた。
─────────・・・
「・・・・・というわけ、わかった?」
そう言ってケンジに笑顔で問いただす。
「、分かったような気がする」
そう言うと母親が今まで話した話を簡潔にまとめだした。
「つまり、松吉さんは竜族で俺のじいちゃん、昔竜族と天使族の戦いに族隊長としていた。
そして、古代兵器【イーリアス】が暴走そしてほとんどの竜族は死んだ、このままではいけないと親父がそのイーリアスと天使族を封印した、それとほぼ同時に俺が生まれたために生まれ変わりとしてこの小刀をもらったってこと?」
「そうね、それでいいんじゃないかな」
そう笑いご飯の準備を再開した。
だがケンジは引っかかることに気づいた。
「でもまてよ・・・何で古代兵器の使い方なんか書いてあるんだ?それにこの出来事ってかなり昔・・・」
そういうとケンジはひとつだけ気づいた。
「最後のページの部分だけ筆跡が違うんじゃないか?」
そう思い他のページと見比べると微妙に違っていた。
そこへ母親がふっと聞いてきた。
「そういえばケンちゃんお父さんの名前知らないのよね、ごめんなさい、今まで言えなくて・・」
そういえばとケンジも納得の顔をした。
「で、何ていうの?」
母親はさらっと答えた。






「 月島 零刀 よ」
ケンジは言葉を失った。
byホライゾン