今日も変わらず、青い空。ここはAS高校屋上。
心地よい風。其処にはケンジがいた。
(ふぅ・・・変わらないな・・いつもと・・)
座りながら売店やきそばパンをかじっていた。
そこへ、一人の少年が訪ねる。
「おす。」
短くあいさつを返す。
しばらくの沈黙の後、先に黙を崩したのはトシオだった。
「―――――ふぅ・・・」
ため息を一つ。
「なぁ、俺なんであんなことしてたんだろうな・・・」
トシオがケンジに語りかける。
「さぁなぁ・・・でも良かったんじゃね、別に」
ケンジはトシオを責めようともしない。
「何で!?俺はあんなことをしてたのに、別に良いのか?」
「ん・・・まぁ戻ってきたんだし、いんじゃね?」
「ん――・・・」
そこでまた会話がとぎれる。
トシオが売店で買ってきたコロッケパンを取り出す。
次に沈黙を破ったのはケンジだった。
「あぁ!!お前だったのか最後のコロッケパンを取ったのは!!」
「え?え?」
トシオがとまどう。
「くっそ、俺が3限目から目をつけてたのにっ・・・」
ケンジの首がかくんとする。
「はん、じゃあ半分交換だ。それと。」
トシオはケンジのやきそばパンを指す。
「ん?あ、これでいいのか?」
「おう、どっちにしようか迷ってたしな。」
「やっべ、サンキュ!」
ケンジはトシオからコロッケパンを受け取る。
ケンジはお返しにやきそばパンをトシオに・・・投げた。
「うわ、ちょっ・・・おまっ・・・」
ベシャ。
やきそばパンは見事に着地した。その袋を崩して。
「ケーンージー?(ゴゴゴゴゴ)返せ!俺のコロッケパンをぉぉぉぉ!」
しかしコロッケパンはケンジの腹の中、もう遅かった。
「お前・・・!」
そこへチヅルがおとずれる。
「あー、おはようケンジ訓ー♪これ、作ったんだ。好きだったよね。コロッケパン」
「「なぬっ!?」」
トシオが即座に振り返る。ケンジも後を追う。
「っはーん、いただいたぜ!愛妻弁当っ!」
トシオが奪いとる。
「まてっ、お前は、それは俺のためのっ・・・!」
「はははっ、さっきのうらみだ!」
「まて このやろう!」
「えと・・・でも二人の分ちゃんとあるよ・・・?」
「「へ?」」
――――――――――――・・・・・・・
世界は回る、まわる。僕がいなくても、君がいなくても、回り続けるだろう。
だが僕がいなければ回らない世界がある。
だが君がいなければ回らない世界がある。
少なくとも、この学園には・・・・・。
これは、少年達のはなし。どこにでもある、話。ここでしかない、話。
「どう・・・?おいしい・・・?」
「「おう!!」」
第38話 行末
byあげ