第24話  エスケイプ・ラン
交渉の場だった廃墟から脱出した3人は、全力で先生が待っている場所へと向かっていた。
「ぜい、ぜい・・・・まったく椿さんは無茶だよ!情報だけ奪って逃走するなんて!」
「うっさいわね!んなことぐだぐだ言ってる体力有るなら走りなさい!」
2人は互いに言い合いながら走っていたが、歳人はなぜか複雑な気持ちだった。
向こうは確かにこちらを信頼して交渉のテーブルに座っていたのだろう。アウトロウと1口で言っても向こうも人間なのだ。信頼の一つもするだろう。・・・がこちらはそれを裏切ってしまったのだ。いったいどちらがアウト・・・
「・・・っ!!!」
不意に歳人は何者かの気配に気付き、その場を飛び離れた。
「さいと!?」「さーくん!?」
2人もその気配に気がついたようだった。
どす黒いオーラ、禍々しい気配。
「歳人、見つけたぞ。」
3人の進む先には無神が立ちはだかっていた。手には、いつかの拳銃が握られている。
少しの沈黙の後、無神が先に口を開いた。
「さて、これが最後のチャンスだ歳人。私の仲間となれ。・・・・・・出なければ死だ」
再び、沈黙。
YESなら、自分は彼の仲間となるが明日と椿は助けてくれるだろうが。だが、NOだった場合は・・・
「俺、は・・・・・・」
YES、と口に開こうとしたその時だった。
「!?」
無神が突然その場から一歩飛び下がった、次の瞬間、1秒前まで無神がいた場所に2、3本のクナイが突き刺さる
「いけませんねぇ。・・・大人が子供を銃で脅すなんて。」
不精ひげに眼鏡、のっぺりした口調・・・
「半蔵さん!」まぎれもない如月半蔵だった。ただし服装は昔の忍者をほうふつさせる黒装束であるが。「うーん、前から目をつけていた男が何かを企んでるみたいだから見張ってたけど・・・まさか君たちに会うとはね。」
半蔵さんは1人ぶつぶつ、つぶやいているが無神に対する殺気は戦闘の素人である歳人らにも感じとれた。と、半蔵が口を開く。
「さ、いきなさい。ここは引き受けますから。」
「半蔵さん・・・」
「早く。」
半蔵が逃げるように促す。
「・・・・・はい!」
3人は側の路地に駆けた。
「逃がすか!」
無神が3人の前に回り込もうとするが、いくつもの手裏剣が彼の行動を邪魔するかのように飛来する。
「言ったでしょう?あなたの相手は私ですよ!」
「おのれ!」
2人の体が交差し、戦いが始まった。
「半蔵さん、だいじょうぶかな・・・」
椿が不安そうに口を開く。
「だいじょうぶだって、半蔵さんは。まったく椿は不安性だな!」
「・・・根拠は?」
「・・・・・」
そんなこと言い合っている時だった。突然、近くの路地から黒いローブの男が現れた。男は無口でこちらに歩いてくる。
「なっ何!?、何なのよ」
椿がおびえたように男がどなる。が男は何も聞こえなかったようにこちらに近づいてくる。
「ちっ・・・ええい!」
明日が魔法を発動させ、火球は虚空に四散した。つぶやきを呪文として明日の魔法を打ち消したのであろう。
「そんな・・・」
明日の口から声がもれる
と男が両手をかざし、呪文を詠唱する。すると、椿と明日の体が宙に浮き、先ほどの呪文と共に発生した黒い球体にひきずりこまれはじめる。
「なっ、これは!?」
「やだ、やめてよ!なんなのよこれ!?」
2人は口々にわめくが、その間にも2人の体はどんどん球体に飲み込まれていく。」
「貴様ぁ!!どういうつもりだ!!」
歳人が怒り心頭という顔で男にどなる。
「邪魔者は消えてもらおう。」
その一言が止めになるかのように、2人の体は黒い球体に飲まれた。
黒い球体は少しの間宙に漂っていたと思うと、空へと飛んだいき、壁の外へと飛んだいった。
「お前、あの二人をどこへやった!」歳人が黒いローブの男につめよる。男は歳人の殺意を受けても一つも変えずに答える。
「あの2人には壁の外に帰ってもらった。俺が用があるのはお前だけだからな。片山歳人!」
急に饒舌になった男は少しひるみながらも、歳人は叫んだ
「お前はいったいなんなんだ!」
「俺の名前は中川 勇。お前を殺す者、だ。」
あとがき
はい、だめだめですね。
このレベルでしか書けない自分が恥ずかしいです。はい。
次の人、大変ですががんばってください。
では次回。
by通常の3/1倍