第27話 教授のシナリオ
無神と半蔵の戦いが終わりかけていたとき・・・
明日と椿に危機が迫っていた。
「く・・・いったいここは?」
「さぁね。でも少なからずいい場所じゃないわね。」
明日と椿は勇に食らった魔法でとんでもない場所に飛ばされたらしい。
「しかし、何だあの魔法。反則だろ・・・」
「本当よね。あれで歳人は生きてるのかしら。」
「さぁ?とにかくここを出ないと・・・」
明日が周りを見る。けれど、何も見えない。
「ここ本当どこなのかしら。」
椿が立ち上がり一歩前にでたそのとき。
「ふっ・・・さすが勇様。」
「本当です。」
闇の中から少しずつ姿をあらわしてくる2人。
「誰だ?!」
明日が杖を持ち戦闘体制に入る。
「怖がらせてしまったね。明日君。」
「無理もありません。いきなりですから。」
ゆっくりと二人が明日と椿に近づき、しゃべっていく。
「俺は、ミラート・アルベルト。まぁミラでいい。」
「私は、ヴィオ。下の名前はございません。」
そしてミラとヴィオーラが姿を現す。
「なっ!?1人しかいないじゃない!」
「いや、待って!ちゃんといる!」
明日と椿がびっくりするのも当たり前だった。
ミラと名のった男は、透明だったのだ・・・
「いや、驚かせたね。仕方ないんだ。こういう性分なんでね」
「そうです。あまり気にせず・・・」
そしてヴィオはなんとも小さい体にしては不ぞろいな大きいとんがり帽子にマント。
そして首からペンダント。どうみても魔法使いです。といわんばかりの格好だった。
「あなたたちいったい何者?」
「そうですね。こんな所にいるのは僕達だけと思っていましたが・・・」
「ふっ・・・教授に言われてね。」
「殺してこいという命令を受けました。」
ミラは含み笑いをしながら少しずつ近づいてくる。
「くっ!!教授?いったい?」
「さぁて?では自己紹介もここに来た理由も教えました。」
「行動開始。」
「あぁ・・・そうですか。なら!」
「力ずくでも聞くまでです!」
明日が杖に魔力を込め氷の柱を出していく。その柱はミラを狙って飛んでいく。
「ふん。そんなもの・・・」
しかしミラに簡単に弾かれてしまう。
明日が出した、氷の柱。自分の魔力と空気中にある水分を凍らせて作ったもの。
つまり、明日は魔力さえあればある程度のものなら簡単に作ることが出来る。
「反撃開始。」
ヴィオが杖を振り今度は火の柱を出していく。
「そんなもの!」
椿がシールドをだし火の柱を弾く。
ヴィオもいっしょ。空気中にある酸素や窒素を魔力で発火させ火の柱にしていく。
明日とヴィオは似たもの同士なのだ。
「ふん。どうせこのまま続けても意味はない。」
「了解。ではあれを?」
ミラとヴィオが縦一列に並ぶ。
それと同時に明日と椿は危険を察知したのか、明日と椿は思いっきり後退した。
「いくぞ。我が魔力を糧にする悪魔よ。我に悪魔の業火を!!」
「合体召喚魔術発動。機動確認。」
「「出ろ!!!ヘルブレイカー!!!」」
ミラの前に紅黒の胴体が出てくる。
「な!召喚?!ありえないでしょ!」
ヴィオがその問に答えた。
「ありえないことはないであります。」
「しかし!魔力が!」
そう召喚には大量の魔力が必要だ。もちろん、歴史上の賢者達は、何かを媒介にして召喚してきた
しかし、この2人は自分の魔力のみで召喚した。しかも約9メートルもの機体を。
「ふ・・・確かにありえない。しかしそれは僕達では。だからこそ教授がいる。」
「教授?!誰なんです?!」
明日が叫んだ。
「まぁいいだろう。冥土の土産だ。」
「教授は魔力が凝縮された石を作り出し、そして僕達に埋め込んだ。」
「そして私達はその石を効率よく使うために産まれた存在。」
「な?!じゃああなた達は人間ではない。」
椿がみるみる恐怖の顔に変わっていく・・・
「そのとおり。確かにな。でも感情もあるし心もある。」
「それを人間というんでは?」
「ただ少し構造が違うだけだ。」
「っっっ・・・く」
明日が絶望の顔に変わっていく。明日は確信した・・・こいつらには勝てない。
おそらく椿も確信したろう。完全に戦意を失っている。
「そうか・・・君達には戦う意思はないか。」
「ですね。では教授に連絡。そろそろ、奴が動き出すでしょう。」
「あぁわかっている。僕だけで行く。」
「わかりました。以後気をつけて。」
「あたりまえだ。これも教授のためのでね。」
「では、明日君。椿さん。歳人君をよろしく頼みますよ。」
と言い残し二人は闇の中に消えた。
「いったいあの二人は・・・」
「さぁ?でもわかるのは、どうみても敵ってことよね。」
「とにかく、今は歳人を見つけなきゃ!」
「問題は、ここを抜け出せるかどうか、だけどね。」
明日と椿がこの場所から抜け出そうとしている時。勇はそのころ・・・
「く・・・歳人め!よくも・・・」
勇は立ち上がり、周りを確認する。
「ここは?」
「さすが、教授のシナリオですね。」
「何者だ!?」
「あなたを殺しに来ました。」
ミラはゆっくりと歩みだし、色のついたカードを出す。
「なんだ?そんなもので私を殺す?笑わせるな。」
勇は明日と椿を飛ばした黒い球を出す。ただひとつ大きさを除いては・・・
「へぇ、そんなに大きなものも出せるんですか。でも・・・」
「なんだ?意味を成さないとでも?」
「ええ。なぜならあなたはもう死ぬことが決定しています。」
「タロット発動。召喚。緋炎武。」
ミラが紅い色のついたカードに魔力を込める。紅く光だし緋炎をまとった剣士が出てくる。
「ほう。わずかその時間で召喚するか・・・おもしろい!」
勇は最大に大きくなった黒い球を連射してくる。
「だからいっているでしょう?あなたの死は確定したと。」
そのすべての黒い球をすべて弾き突っ込んでくる。
「なに!?そんなバカな!」
「はい。詰みですね。」
緋炎武でつっこんで来た剣士は一瞬で勇を刺し焼いた。
「ぐは・・・くそ。こんなところで・・・」
「もうあなたは用済みです。これはもう決定事項なので。」
「緋炎武。なにも残さないでください。」
「了解。」
勇はすべて跡形もなく消えた。
「ふぅ・・・しかし合体召喚に緋炎武。少々やりすぎですね。」
そういうとミラの透明化が解ける。
「やっぱり、限界であーりますか?」
この場ではありえない変な声が聞こえる。
「はい教授。実体化した状態では石は使えません」
「そうですか。ヴィオも少々疲れているようですね。」
「はい。合体召喚といってもほとんどを使います。」
「うーん。これは改良の余地でーすね。」
といってミラとヴィオに新しい石を渡す。
「あんまーり時間もあーりません。無神のところにいきますよ。」
「「はい教授。」」
「しかし、わかっていますね?あなたたちは2人で1人。」
「かならず戦うときは二人で。今回は特別です。」
「「はい。」」
そして3人は消える。すべての黒幕。無神のところへと・・・
あとがき。
どうも。今回はハガル・ニイドにかなり聞きまくりました。
というわけでなぜかこの2人最強です。まじで。
とりあえずこの2人殺すときは必ずいってください。弱点教えます。
一応、皆様のご期待にそなえましたつもりです。
では次のかたがんばって。
byThe disabled of mitisi を改め鈴星の音色