第四話 ターミナル
どのくらい進んだだろう。
森にジープを進めてかれこれ2時間。新東京は既に見えなくなり光といったらジープのライトだけ。
ここは新東京から離れた森の中。【ターミナル】日本支部はこの森の奥深くにあるのである。
森はとても広大だ。仮にこの森の中に支部の隠れ家があるとばれても探し出すのは雪原の中落としたコンタクトレンズを探すくらい難しい。
車は周りから見たら何の変哲もないところで止まった。周りには特に出入り口らしきものも見当たらない、それどころか目印すらない。
黒乃は車のダッシュボードから見た目からしたらただの携帯電話に何か打ち込んでいく。
ウィーン・・・
打ち込み終わったのと同時に車の下の地面が斜め下に向かって巨大なエレベーターのように地中に潜っていった。
「ふー。やっと着いた」
黒乃はハンドルから手を離し一息入れる。
他の二人とイージスは寝ている。夜通しの移動でみんな疲れたようだ。森に入ってから緊張の糸が解けたのか二人とも寝てしまったのである。確かに装甲車からの襲撃から森に入るまで追撃に備えてずっと警戒していたのだ、疲れもするだろう。
地表からかなり潜ったところで広い空間に出た。広さ的に言うと今は使われていない東京ドームが丸ごと入りそうな広さだ。
エレベーターが止まり駐車スペースに車を止め、
「おい、二人とも着いたぞ」
黒乃は二人を起こした。
「ふぁ〜。よく寝た」
「ん・・・。朝?」
渚さん。いくら支部に着いたからってそれは気が抜けすぎじゃないですか?俺だって寝たかったんだぞ?そんな気持ちが一発で伝わってきそうな目つきで二人を見る。まあ、言わないでおこう。
車から降りて中央にそびえ立つ建物に入った。
中はとても綺麗でここが地下深くだと思わせないくらいである。
黒乃はイージスをおぶりながら歩いている。本当は寝ていない黒乃では無く、さっきまで寝ていた二人のどちらかに任せるべきなのだが、今の起きたてほやほやの二人に任せたら落としそうで怖い。そうじゃなくても兵器としてどのような機能があるのか全くわかないと言うのに、この二人に任せられるはずが無い。
しばらく歩いて、部屋の前に着く。扉にはorder room(指令室)と書いてある。
さっきまで眠そうだった二人も目が覚めたのか、姿勢を正して立っている。
コンコン
ノックをして、中に入る
「失礼します。只今兵器奪取の任務から帰りました」
「ご苦労」
部屋の真ん中に座っているのが彼らの直属の上司村松である。
「さて生物兵器は・・・。ああその子か。何だ?死んでいるのか?」
「いえ、ただ眠ってるだけです」
「そうか、なら良かった。その生物兵器、イージスは後ろの二人に預けて各自次の任務まで休息をとってなさい」
後ろを振り向くと白衣の男が二人立っていた。少し怪しい感じがしたのだがイージスを二人に渡し、各自休憩をとることにした。

「あの二人・・・。イージスをどうするんだろう?」
やはり、生物兵器とはいえいたいけな幼女。少し心配なのか、おろおろしながら渚が黒乃に問う。
「身体検査だろ?兵器としてどんな機能があるのか分からない。それを調べないと」
長い廊下。二人で歩きながら話している。
しかし、何故二人だけなのかという七翔は「くそ〜俺の愛銃がこんなになっちまって・・・ちょっとあの弾の開発者に文句言ってくる!」とのことで開発者のところに殴りこみ、もとい、講義に行った。
けど、殴りこみもあながち間違えでは無いと思う。昔、開発者に自分の愛銃のメンテナンスを頼んだとき、手違いで壊してしまったことがあった。その時七翔はきれて、開発者をボコボコにしたことがあるから多分今回もそうなるだろう。開発者・・・ご愁傷様。
「けど、身体検査の割には随分と変な機械のある部屋に連れ込まれたみたいだったけど」
「見てきたのか?渚」
「少しとはいえ一緒に居たから」

「じゃあ、また後で」
「お疲れ。おやすみ」
しばらく歩き黒乃は寝ようと仮眠室に入るため、二人が分かれようとした時、
「おーい。二人とも大変だ!」
廊下の向こうのほうから七翔が走ってきた。何か片手にぐったりした人が見えなくも無いが・・・。やはり開発者だ。どうやら、予想通り七翔にやられたのか・・・。
「どうしたんだ?」
まあ、少しは気になるが、片手にある人は気にしない方向で七翔に返す。七翔は黒乃たちの前で止まり肩で息をしながら、
「はぁ、はぁ。大変なんだ」
「だから、何が大変なの?」
「イージスが・・・げ・・・し・・た」
「え?なに?もう一回?」
あまりにも切れ切れで聞き取れず再度聞き返す。
「だから、イージスが逃げ出したんだって!!!」
「「え」」
あとがき
あははははははははははははははははははははははは!!!!(レナ風)
ひゃはははははははははははははははははははははは!!!!(魅音風)
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!(ケンイチ風)
っはいわけ分からない。ww
とりあえず、何も言うこと無い。次の人がんばれや。(゜Д゜)ゝ
by鱈の弧