「この日本が陥落してから早5年。当時の攻撃は奇襲そのものであり、とても侵攻と呼べるものではなかった。」
ここは司令室。
「瞬く間に占領され、軍備は奪われ、我々は丸裸にされた。故に、我々の戦いは敵から奪うことを前提としたものいや、奪還といってもいい。つまり敵を削り、こちらは得る。いわゆるゲリラ戦だ」
デスクの向こう側でこの城ー“ターミナル”日本支部の主にして我々の上司たる村松殿が何やらのたまっている。
恒例の前置きもそろそろ終わる頃だなと横を盗み見る。
兵士二人ー黒乃と渚は背筋を伸ばしていまにも敬礼しそうな雰囲気だが…ぁ〜、目を擦ってるイージスちゃんは眠そうだなぁ〜。まぁかく言う俺も欠伸を噛み殺しているわけだが。
「そこで、次の作戦だが」
その台詞が合図だったのか、俺達とデスクの間に透過性の基地周辺地図が降下してくる。あ、秘書の方、毎度お疲れっす。こちらの方が敬礼モンだ。
「君達はこの赤く点滅している地点で待機。再度試験体を回収にくると思われる敵機を待ち伏せ、迎撃。回収または撃破できなければそのまま追跡任務に移行する。」
なるほど。つまり早い話が俺たち、もといイージ…セレネちゃんを餌にしておびき寄せようってわけだ。
しっかしセレネちゃんを囮にするのは俺たちが守るからともかくとして、
あわよくばその敵を奪うってんだから強欲過ぎやしないかねぇ。
ま、それくらいしなけりゃやってけないけど。
「簡単な流れは以上だ。」
出てきたときと同じ完璧なタイミングで、役目を果たした透過性地図が退場していく。ぉぉ、匠の業だ。…てか、このご時世にいまだ手動なのはどうかと思うぞ。
「いうまでもないが、非常に危険な任務だ。」
そういいながら村松がデスクに手を着き、
「だが、おまえたち。必ず生きて帰ってこい。生きていることこそが、我々の最大の攻撃なのだからな」
一人一人の目を、強い意志と愛情が込めやれた瞳が見回す。
「では、細かい時間や座標などの詳細は手元の資料を見てくれ。私はこれから先の強襲について会議があるのでな。」
そういった村松のおっちゃんが退室するのと同時に俺たちも解散となった。
「さぁて、これから昼かぁ〜」
部屋を出た瞬間、欠伸の涙を滲ませて伸びをする。
「ちょっと七翔、緊張感無さ過ぎよ」
すかさず横から指摘の声が飛来する。
「いいじゃんか。村松のおっちゃん、話長いんだもんよ。」
「まぁ、確かに親父の話は長いな。」
そういう黒乃の背中にはセレネちゃんが背負われている。緊張の限界は少女を睡眠の世界へと誘ったようだ。
『チッ、なんでいつも黒乃なんだよ。』
心の中で悪態をつきつつ、
「で、昼はどうする?」
話を戻す。作戦は夕方に開始される。まだしばらくはゆっくりしてられるのだ。
「とりあえず、セレネを部屋に連れていくか。起こすのも悪いし。」
「うん」
「だな」
黒乃から遅れること半日。昨日の昼食の席で、俺と渚はセレネちゃんの本当の名前を知った。
“黒乃の後”というのが癪だったが、それよりも名前を知れた喜びの方が大きかった。
ひとのことをコードネームで呼ぶ。そんなのは耐えられないくらい嫌だった。だから、嬉しかった。名前を知ったことが。名前で呼べることが。
部屋へ向かう途中、ある扉の前を通り過ぎようとしたとき、
「あ、そうだ!」
いいこと思いついた!と、渚が心底嬉しそうに声を上げた。
「お昼、“例の場所”で食べましょうよっ!」
「お、いいな!」
「まあ、たまにはいいか」
と、三者三様賛成して向かうことになった。“例の場所”へと。
瞼に当たる陽光で目を覚ます。
頬を撫でる風が心地良い。
「あ、おはようセレネちゃん」
いつにない笑顔を湛え渚が覗き込んでくる。
「ほぇ?」
ん〜、まだ頭が回ってないみたい。
「おはようセレネ」
「よ!」
黒乃に七翔。
辺りを見回す。
森をスプーンでくり抜いたような、
そんなひらけた場所にある小高い丘。
目の前には広げられたお弁当、といってもインスタントだけど。
「さぁ、お昼にしよ?」
黒乃と七翔、それぞれパンとマグカップを掲げている。
…ああそうだ。お話聞いてる途中で寝ちゃったんだ。
瞼を擦って意識を覚醒させる。
「うん!」
そよぐ風、そそぐ光、食卓を囲む。
そのカタチ、
空よりあおく、
緑よりふかく、そこに在る。
第八話 その価値を
あとがき
あれれ? なんかパッピーエンドな にほい? 気のせい? やっちまったか? (笑
ふにゃふにゃ…
いままでは編集で読んでるだけだったから、どうも見てるだけ感が強かったけど
実際書いてみると愛着が湧くというか、世界に入り込めるというか。
執筆するにあたって何度も読み返したり考察したりしたからっていうのもあるんだけどね。
うん。だからとりあえず、LSやってるんだなって実感湧いた。
てかやっぱ、書くことって楽しいね。量は少ないけど、久しぶりに楽しく書けたよ。うん。
さてさて 遅ればせながら 始まったよLS
いいものにしようね ぜんりょくだよね げんかいはないよね
今回は、〆切守ります 説得力ないけど まもります
一話一話、自分で最高といえるものを オスッ
いくぞみんな 気合の注入、充分か?
あれれ? なんかパッピーエンドな にほい? 気のせい? やっちまったか? (笑
ふにゃふにゃ…
いままでは編集で読んでるだけだったから、どうも見てるだけ感が強かったけど
実際書いてみると愛着が湧くというか、世界に入り込めるというか。
執筆するにあたって何度も読み返したり考察したりしたからっていうのもあるんだけどね。
うん。だからとりあえず、LSやってるんだなって実感湧いた。
てかやっぱ、書くことって楽しいね。量は少ないけど、久しぶりに楽しく書けたよ。うん。
さてさて 遅ればせながら 始まったよLS
いいものにしようね ぜんりょくだよね げんかいはないよね
今回は、〆切守ります 説得力ないけど まもります
一話一話、自分で最高といえるものを オスッ
いくぞみんな 気合の注入、充分か?
by図書神