第拾壱話 静かな休息
「マジであばら何本か言ってんじゃねぇの・・・?」
帰ってきての最初の一言がこれというのもなんか嫌だが本当にそれぐらい痛いんだって・・・
「それじゃ私はセレネをベットにねかしてくるわね」
帰ってくる途中でセレネはまた眠った・・・ってかセレネよお前は一日何時間寝るんだ・・・眠り姫とでも呼ぶべきか・・・
「だから何また見とれてんの?黒乃くん♪」
「うっさいだまれ・・・」
裏拳で七翔を殴る。俺は別にお前と漫才をしたい訳じゃない・・・
倒れている七翔を踏んでとりあえず救急箱を手にする。中から湿布と包帯を取り出し鈍痛がいまだ抜けない場所へと貼る・・・
「しかし、親父は何を考えてるのかね・・・」
俺の目の前に眠って・・・正確には眠らされて、手足を縛られているアルテミスの姿が・・・言わしてもらうが別に俺にそういう趣味はない・・・暴れられると困るから縛っただけであって決してそう言う趣味ではない・・・誤解されたくないから一応言わせてもらう・・・
「まさか、これコレクションにでもするつもり・・・」
いやいや、そんな訳無いだろう。あんなバーコードなりかけの親父が・・・
「まさか・・・本気で兵器として使う気か・・・?」
確かに人間離れした能力を持っているのは戦った本人である俺が一番知っているわけだが・・・それじゃあ東アジア共和国と変わらないだろう・・・
「はぁ・・・うだうだ考えても無駄か・・・」
親父に聞いてみないと何も始まらん・・・とりあえず・・・
「寝るか・・・」
今だ倒れている七翔が邪魔なんで踏まずに蹴り飛ばす・・・なんか「ごはっ!」っとか吐血してそうな音が聞こえたけど無視しておこう・・・
救急箱を元の場所に戻すと、自室に戻りベットにダイブした・・・
よほど体を酷使していたのか、すぐに睡魔が襲って俺はまどろみに身を任せた・・・




「・・・の・・・ろの・・・黒乃!起きてよ。」
俺が目を開けると俺に馬乗りになって俺の体を揺するセレネの姿が・・・
「セレネが俺より早く起きるとは・・・今日は槍が降るな・・・」
どうだ・・・俺の渾身のボケはツッコミが俺の仕事ではない・・・
「そんな事言ってる場合じゃないんだってば!アルテミスちゃんが・・・」
そんな事で片付けられた事に軽くショックを覚えたが焦っているみたいなのでセレネに腕を引張られて行くとそこには渚と今だ倒れている七翔の姿が・・・
「アルテミスがどうかしたのか?渚・・・」
「どうかしたも何も七翔を吹き飛ばして逃げたみたいなのよ!」
「はぁ!?」
そこには引きちぎられた様な縄の残骸と何も言わぬ屍みたいな七翔の姿が・・・
「血の乾き方からして、昨日の夜中には逃げ出してたみたいだけど・・・」
いえ、その血は俺が蹴り飛ばした時に吐いた血だと・・・
「とりあえず、上に報告だ・・・説教は免れないだろうけど・・・」


某所にて・・・・

「はぁはぁ・・・」
足を引きずるようにして走っているアルテミス。
「あと少し・・・」
アルテミスは力尽き倒れる・・・
「あと・・・少しなのに・・・」
薄れ行く意識をたもとうとするものの限界で気を失った・・・
あとがきという名の言い訳
はい!二限サボって書きましたが何か問題でも?
とりあえずこんな感じ・・・最後のアルテミスは伏線ではないんでお好きにどうぞ
七翔はへたれになったけど次回にはカッコよくなるはずだ・・・
てか俺ってギャグみたいになるよな・・・と思う今日この頃・・・
by十九世紀末ロンドンのJ