アルテミスが来る。
セレネがそう言ったからには、もうほとんど時間がないだろう。
またセレネを取り返しに来るのか・・。
いや、下手をすると殺されてしまう危険さえある。
というかばれるのがいくらなんでも早すぎないか・・。
そこまで生物兵器同士の結びつきは強いのだろうか・・、謎だ。
「セレネ、どうなんだ?」
「うん、近くに来てる・・もうすぐついちゃうかも・・」
いやな予感がする。セレネの顔が前よりも少しこわばって見えた。
ズズゥン・・
外から、鈍い音がした。
「来た・・・」
セレネが告げた。
『敵軍接近、全員戦闘態勢に入れ』
非常音とともに親父の連絡が入る。
「ちくしょう、こんなところまできて装備が薄いって言うのにいきなり戦闘かよ・・」
七翔が愚痴をこぼすがもはやそのような余裕のある状況ではない。
本当につかの間だ。ここに到着したのはついさっきだというのに。これではまるでここへ来るのが予測されていたかのようだ・・。
俺たちは2階の窓から外の様子を窺った。
「来たよ」
セレネが指差した方向へ顔を向けるとそこにはアルテミスの姿が。
さらに数え切れないほどの軍が いなかった。
単独行動だと!?どういうことだ!
身を隠すために何も言えなかったのだが、皆、内心驚いていただろう。
次の瞬間
窓に綺麗に穴が開き、そのまま外れ落ちた。
「「「「!!!」」」」
そこに居合わせた皆は驚き、ただ落ちるガラス窓の欠片に釘付けになった。
パリィィィン
砕け散るガラスを見届け顔を上げたそのときには、白銀の髪の少女がそこに舞っていた。
「おはよう、また逢えたね」
さっきまで校庭にさえ侵入していなかったというのに、なんて早さで飛んできやがったんだ。
明らかに前のアルテミスとは違う、まともに戦えるのか不安だ。
俺は何も言わずとっさに銃を構え・・られなかった。
「何・・!?」
銃を握った手にはすでに銃が無く後ろで吹き飛んでいた。
「あら、危ない危ない。でもほとんど止まっているようにしか見えないのよ、残念ね。」
また銃が・・なんなんだこいつは・・・・
ドン!ドン!
銃声、渚と七翔が一瞬のスキをついて早撃ちしたのだった。
「油断したわね、これで・・」
「これで?」
そこには微動だにしないアルテミスの姿があった。無論、次の瞬間には銃は鉄粉と化していた。
「バカな!ありえない、絶対に命中したはずだぞ・・」
「ふふ、じゃぁ特別に教えてあげる。光と銃弾じゃ、進行速度はどっちのが速いかしらね?」
セレネははっと気がついた。
「アルテミスちゃん、まさか・・!いや、でもアレはまだ実験段階のはず・・・!」
「残念ね、もう完成しちゃったのよ。」
「セレネ、何なんだそれって?」
俺は問う。
「『光の射手』・・。光を目では見えなくなるくらいまで密集させて撃つ、いわゆる、見えないレーザーみたいなもの・・。」
「あら、セレネちゃん物知りね。旧型なのに。」
「一応、そのへんまではアップデートされてるみたいだからね・・」
何の事だ、見えないレーザー?そんなものに勝てるわけが・・・。
せめて発射口くらいわからなければどうしようもない。
「セレネ、そのレーザーの発射口なんてのはどこにあるんだ?」
「それは・・『ほぼ無い』よ・・。本体の前方10cmあたりから光線が発生するらしいけど・・」
「その通りよ、つまり『前を向いていればあたる』わ。さらに身体能力は物理法則ギリギリまで動けちゃったりするから後ろから狙っても無駄よ。」
何だって・・!この前はすんなり倒せたじゃないか。なぜこんなに・・・。
「あら、この前のはテスト段階だったのよ。生物兵器があんな簡単にやられちゃ、兵器なんて呼べないわよね。」
アルテミスは笑みを浮かべた。
「セレネ、こいつはどうにかならないのか!?」
「うーん、わかんないけど・・・。ちょっと試し・・・。」
すると、あろう事か、セレネがその場に倒れこんでしまった。
「どうした!セレネ!」
必死に呼びかけるが、反応が無い
「おやおや、こんなところでお眠りなんて、セレネちゃんはだめな子ね。」
だめだ、このままではセレネが持ち去られてしまう、いや、あるいは殺されてしまう。。。
「うおおおおおお」
俺はポケットに持っていた小刀を取り出し振り上げるが、やはり、弾き飛ばされてしまった。
そのままアルテミスへと突進する、が
「無駄よ、やめなさい。」
アルテミスの信じられない速度で繰り出される蹴りを食らってしまった。
「ぐふっ、ぁ・・・」
俺はそのまま壁へと叩きつけられてしまう。
「おとなしくできないなら、こうよ!」
アルテミスがこちらへ向かって跳んだ
「!!」
が、急に後ろへ後ずさった。
それと同時にアルテミスの横の壁が破裂する。
「くそ、いつのまに・・!」
『モード、射手。再起動完了。』
セレネの声ではない・・・。が次にはセレネが口を開いた。
「知ってた?プロトタイプって完全ではないけどいろいろできるのよ。」
第拾六話 或ル手見ス
あとがき
なんかもうSFっていうか兵器ingバトルになってますけど。。
仕様?あ、俺の仕業か。
とりあえずバトバトさせて見ましたけど。強すぎちゃうのかな。
人間を軽く超越していると言うか。まぁ兵器だからおk?(ぉぃ
とりあえず扇風機とともにAM4時20分をお知らせします。
なんかもうSFっていうか兵器ingバトルになってますけど。。
仕様?あ、俺の仕業か。
とりあえずバトバトさせて見ましたけど。強すぎちゃうのかな。
人間を軽く超越していると言うか。まぁ兵器だからおk?(ぉぃ
とりあえず扇風機とともにAM4時20分をお知らせします。
byあげ