第弐拾参話 矛盾の世界
真薙はこう続ける。
「簡単だ。君たちには、利用価値がある。」
・・・はぁ?とりあえず俺は心の中でつっこんでみた
「いや、どういう意味かわからないんですけど。」
渚が変わりに質問してくれた。
「では要点を追って説明しておこう。」
少し、セレネとアルテミスの方に視線を移しまたこちら側に戻る。
「まずセレネとアルテミスだが。絶対に奪われてはいけない。」
いや、当たり前のこと言わないでください。それは、絶対に約束したことだ。
「ふむ。まぁそこら辺はもう決まっているようだが。」
「では次だ。利用価値。と言ったが利用するのはあくまで僕だ。」
いや、早く言えよ。
「では言おう。君たちには、セレネとアルテミスの盾となってもらう。」
3人ともそりゃ当たり前と言う顔をした。
「いや、いや、いや、当たり前じゃないですか。」
渚が思いっきり否定する。
真薙はそれすらも否定した。
「私はこう言いたい。私が興味があるのはセレネとアルテミスのみ。つまり君たちは、利用できるからしたまで。」
!!そういうことか
「おっと気づいたようだね。つまりこうだ。君たちが利用できなくなったとき君たちには、存在理由もなくなるということだよ。」
「つまり!俺たちは使い捨てだということですか!!」
七翔が声を荒げる。俺もしゃべりたいが、この場は黙っておいたほうがいいだろう。
「そうだよ、七翔君。村松も同じだっただろう?」
あぁ・・・やっぱりこの人は、同じか。
裏切り。それはしてはならない禁忌。けれど、最初から信頼していないなら、それは裏切りでもなんでもない。
ただの使い捨て。手駒。
「使い捨てか。その言葉はいいな。しかし。僕は違う。」
?言ってることがちがわないか?
「まぁ矛盾だらけだろう。信頼も裏切りも。裏切られたくなければ信頼しなければいい。信頼されたければ裏切らなければいい。」
この人は、あれか?言ってることを瞬時に忘れられる脳でも持ってるのか?
「なんだか失礼な考え方をしてる人がいるみたいだが。そうではない。」
どういうことだよ
「つまり、この任務はセレネそしてアルテミスが敵から終われなくなるまで。つまり一生の任務となる。」
あぁそういうもくろみか
「なんだか、この語り方、語り口も疲れてくる。」
真薙がふぅと息を吐き。そしてまたしゃべりだす。あんたはしゃべらないと死ぬマグロか?
「つまり君たちの存在理由。そして任務。セレネとアルテミスを守れ。絶対にだ。」
「あなたにはメリットは?」
渚が真薙に質問する。
「メリット・・・あー村松をこの世から追放できればどうでもいいさ。」
この世からかよ。それには賛成だ。
「つまり私は村松を殺しさえすれば、あとは君たちはどうでもいいということだ。」
七翔が質問する。
「つまり、村松さえ殺せれば、俺たちは何をしてもいいと?」
真薙が考え。
「セレネとアルテミスを守りきれればだ。」
今度は渚が。
「セレネとアルテミスをどうしてあなたは利用しないんですか?」
真薙はきょとんとした。
「あっはっはっは・・・利用?いや、それはまたおもしろい。セレネとアルテミスは君たちにとってなんだね?」
「俺たちにとって・・・」
3人が声をそろえて。答えを。
「俺らは家族。」
真薙は笑って。
「そうだろ?そのとおりだ諸君。では出発しよう。」
へ?いやどこに?
「僕たちのホームにだよ」
僕たちは出発する。ホームというなの家に。
あとがき。
へいへい。よくもまぁ面白いとこできってくれたね。
とってもどうしようもなかったよ。
いっぱい矛盾だらけ
矛盾。矛盾。矛盾。矛盾。
意味はない。この世はすべて矛盾だらけ。
僕にはそう見える。ならほかのみんなにはどうこの世は写る?
考えてみたまえ。世界中の人口の数だけ、世界があると。
一人一人の世界があると。
そう考えれば。矛盾だっておこるだろ?
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by鈴星の音色