七翔は黒乃たちに説明する前に自分でこの内容を把握するために廊下で一旦立ち止まった。
真薙に渡された資料に目を通す。
「これは・・・!!!」
目を疑ったがこれが真実ならば一刻も早くみんなに知らせなくては、そう思い七翔はまた走り出した。
深呼吸をしてから七翔は口を開いた。
「やつらは、兵器を作っているんだ」
「はい!?」
あまりにも直球な計画の全貌に俺は自分の耳がちゃんと顔の横にあって、しっかり機能しているのか確かめるように耳を指でほじくる。どうやらちゃんと耳はあるし、機能もしているようだ。
「えっと・・・。話があまり見えてこないんだけど」
渚もあまりこの話を飲み込めていないようだ。
「もう少し具体的に話してくれないか?」
俺は今までの反応の薄さが嘘のようにその話について興味を示した。さっきまでに自分といったら、仕事をしようと手をつけるものの気がつけば持っていたものは床に転がっているし、焦点なんて全く合っていなかった。
「すまない。あまりにも端的だったな。もっと詳しく説明するよ。
この書類を見る限りだと、やつらがしようとしている事は巨大兵器の製造だ。そして、この巨大兵器を動かすために必要なのがやつらが製造していた生物兵器だ。
この巨大兵器・・・通称luna meetは破壊力がとてつもなく高い。その威力は日本だったら一撃でチリも残さない。しかしその破壊力故に制御がとても難しい。はっきり言って機械だけの力で制御するのが難しいらしい。そこで人間よりはるかに強化された生物兵器が必要になってきたんだ。luna meetの制御システムと生物兵器の神経をシンクロさせて制御、操作をするんだ。セレネたちに備わっていた特殊な力な強化する際に生まれた副産物だ。まあ、とても副産物とは思えない力だったけど。
けど、この兵器にはさらに欠点があるらしい。それは飛距離が届いたとして太平洋沿岸くらいという事だ。こんなのじゃ制圧したアジア圏内に撃つくらいしか出来ない。そこでさらにやつらは工夫をしてきた。それは、宇宙に放った衛星を使った中継だ。まずは宇宙に向けて放ち、衛星に到着。そこから衛星の中継ポイントを経由して遠くに飛ばすことが出来る。この衛星は一つだけではなく何個もあり、使い方によっては地球の裏側に撃つことだって可能になった。つまり、世界中に向けて銃口が向けられたのだ。
そして、この力を使って世界の制圧をしようと考えているわけだ。簡単に言うならば世界征服だ。なんとも子供じみた計画だよ」
話し終わると、その場の空気は洞窟の中のように不思議な沈黙に包まれていた。
言葉を失いとはこのことを言うのだろう。七翔の話した計画はあまりにも次元を超えている話だった。巨大兵器?世界征服?七翔に問いたいことはたくさんある。しかし、たくさんあるからこそ全く出てこない。喉の置くから空気を振動させることが出来ない。
「でも・・・・」
その沈黙を破ったのは渚である。
「なら、なんで東アジアを制圧したの?別に制圧しなくても中国だけで出来たんじゃないの?」
確かにそうだ、中国の軍事力、技術力は東アジアを乗っ取るほどだった。なのに、わざわざ統一する必要性は何処にあったのだろうか・・・。
「それもこの書類に書いてあった。この兵器は中国においても中国の地形のせいでうまく発動しないらしい」
「「・・・地形?」」
地形とはどういうことだろう?
「これにもあまり詳しく書いてないのだが、どうも地形やなんかの関係のことなんだと思う」
ふむ・・・。そういうことか、つまり俺たちの国が乗っ取られたのはそんな理由だけだったのか・・・。
「っでその兵器のある場所って何処なんだ?中国はその為に乗っ取ったわけなんだから」
七翔は深呼吸をして自分の今から言うことを頭の中で整理させているようだ。少し下向きだった顔を前に向けて俺たちに向かってまっすぐな目で、
「兵器のある場所は・・・“ターミナル”日本支部本部・・・つまり俺たちのいたところにだ!」
「おい、ちょっと待てよ。確かにあそこ一体は何か隠れて作るんだったら人目もないし、広いし、もう支部無いけど、そこまでの巨大兵器作るのに相当の時間がかかる。俺たちがいた頃にはそんなもの影も形も無かったぞ?」
「確かにそんなもの俺たちは見ていない。本部の中がアレだけだったらな」
「えっ。ちょっと待ってどういうこと?」
渚がクビを傾げながら一歩前に出て言う。
「これを見てくれ」
七翔が手に持っていた紙の束を机に置き何枚かページをめくる。何ページか進むと建物の地図が書いてあった。これは・・・本部の内部地図。
「ここまでは俺たちの知っている本部だ。けど・・・」
そういいながら次のページをめくる。確かそこは使われていない倉庫しかないんじゃ・・・!!!
「何だよこれ・・・」
「そう、あの倉庫には先があったんだ」
地図には倉庫の先にさらに扉があり本部よりはるかに大きい施設が描かれていた。
「・・・・・ふざけやがって」
俺の足元には赤い水溜りが出来ていた。
握り締めた手から滴り落ちる命の液体
立っている足元を赤く染める命の液体
この子供じみた計画で多く流された命の液体
いつになったら止まるのだろう・・・。
第参拾壱話 その計画は
あとがき
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
やってくれたね〜、俺の前の人・・・
排撃貝 くらいの衝撃だったよ・・・
とりあえず
逝ってよし!!(古
では、次の人がんばれや。(゜Д゜)ゝ
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
やってくれたね〜、俺の前の人・・・
とりあえず
逝ってよし!!(古
では、次の人がんばれや。(゜Д゜)ゝ
by鱈の弧