第参拾弐話 最終地へと
流れ続ける、命の液体。それをとめたのはセレネだった。
「黒乃?手・・・」
俺は紅く染まった手を見る。痛みはない。しかし憤りは感じられた。
「あぁー!!もう救急箱っ!!」
渚が救急箱を取り。俺の手に包帯を巻いていく。そしてゆっくりと命の液体は止まっていった。
俺は、ゆっくりとそして誰にも諭られないように。
「計画は発動は1ヶ月後。ならその前にすべてを終わらせる。」
俺は怒りと憤りを心に残し。その場を去っていく。
後ろで真薙が。
「さて君たちのラストミッションか・・・」
その言葉は俺にも届いていた。
俺は外にいた。
今は月が輝きをまし、真っ暗な夜を照らしていた。
後ろにはセレネとアルテミスがいた。そしてルナとディアナが。
「黒乃。大丈夫?」
アルテミスは俺のを心配そうに覗き込んでくる。
俺はできるだけの笑みを作り。
「あぁ、大丈夫。」
アルテミスはその返事に満足したのか
「そう。ならいい。」
とだけ短く言った。
ルナとディアナは喋れないがそれでも傷ついた手を握って。
「大丈夫。」
と言った気がした。
アルテミスはルナとディアナを連れ、基地に戻っていった。セレネを残し。
俺は
「セレネ大丈夫か?」
と聞くと、セレネは眼に涙みだをためて。
「・・・ごめんなさい。」
とだけ言った。
俺は、その言葉に疑問を感じ聞く。
「どうして誤るんだ?別にセレネが悪いわけじゃないんだろう?」
セレネは首を振って、涙を振り払い。
「違うの。私がいなければこんなことにはなかったのに。」
セレネは下を向いてしまった。
俺は。
「なぁセレネ。絶対にそんなこと言ったらだめだぞ。」
セレネはまだ下を向いている。
俺はさらに続ける。
「セレネがいたからじゃない。生物兵器というものを作った奴らがいけないんだ。
セレネは何も悪くないし、セレネは逆にいいことをしてくれたんだ。」
セレネが少し顔を上げる。
「いいこと?」
セレネが首をかしげている。
「そういいこと。セレネがいたから、ここまでこれた。セレネがいたからみんなを守ってあげれた。
セレネがいたからみんな笑ってられたんだ。七翔。渚。アルテミス。みんなお前のおかげで笑ってられたんだ。」
セレネの涙はもうひいている。
「じゃあ今度はセレネが守る番。」
すごい笑顔でそして月より明るい。笑顔で。
その場を去っていった。
「今度はセレネが守る番か・・・」
俺はその言葉の意味をまだ知らなかったのかもしれない。
「おーい。最終作戦の確認だってよ。」
七翔が呼んでいる・
「おうわかった。」
月を少し見上げ、基地に戻った。
真薙が不適な笑みを浮かべながら。その作戦を言った
「今回の作戦が最後だが、気をつけてかかるよう。
メンバーは全員だ。以上っ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?」
渚がきょとんとした様子で真薙に確認する。
「それだけじゃあないですよね?」
真薙が笑みを浮かべ。
「それだけだ。」
俺は真薙に聞く。
「作戦もなにもないですか?」
真薙が。
「ないっ!」
と胸を張って言った。
いや胸張るとこでもないし。
「まぁ今回は私が逐一トランシーバーで命令をしていく。それぐらいだ。」
真薙がせかすように続ける。
「出発だ。必ず作戦は成功で終わらせる。」
七翔がびっくりした様子で
「もうですか?!」
真薙は武器とトランシーバーを渡し。
「善は急げ。急がば回れだ。」
いやだめじゃないっすか。
「今回は最短ルートを使わない。最長ルートでターミナル”日本支部本部に向かう。
一応の保険をかけておかないと危険だからな。
ではっ出発だ!!」
「こんなんでいいのかなぁ・・・」
最大の不安を引きずりながら最終作戦。ラストミッションへと物語りは進む。
あとがき
・・・・・・・・・・・・・
はいバトンタッチ。
そうこれで終わり。私の番は。これで終焉。
また、小説で。
by鈴星の音色