タケシが座り込んでいる。
タケシが立ちはだかっている。
とても不思議な光景である。同じ顔の人間が、片方は座り込み、もう片方はそれを見下ろしている。座り込んでいるタケシはもちろん横にいるマキノさえも驚きを隠せないようだ。
「あ・・・アホ面が二人・・・」
「「いや、アホ面ってひどくないか」」
ツッコミまで一緒の所を見ると中身まで一緒のようだ。
マキノが少し呆れそうになった瞬間、鏡を持っていたやつ隣にもうまた一人増えていることに気づいた。タケシをみる限り予想できる人物がいる。もう一人のマキノだ。
逆光のせいで鏡を持ってるやつ同様まだはっきりとは見えないが、その予想を裏付けするかのようにそいつは何かを投げてきた。
村雨(改)である。予想ができていたマキノは姿勢を低くして直撃を防いだ。
「やっぱり・・・」
村雨(改)を引き戻しながらもう一人のマキノはマキノの方へ走ってきた。
マキノの少し手前でもう一人のマキノは村雨(改)を戻し切り、それと同時に飛びかかりながら村雨(改)をマキノに投げつけた。
体制的にハンドボールのシュートに似ている感じだ。とっさに横に跳びそれをよける。
目標を失った村雨(改)はそのまま地面へと激突した。地面はえぐれ、破片が飛び散る。村雨(改)の威力がどれほどのものかマキノは再確認した。
もう一人のマキノは顔こそそのまま瓜二つなのだが、眼が明らかに違った。一言で言えば殺気の塊である。確かにマキノ本人も狂暴ではあるが、それとは全く違う。殺すことにまったくのためらいもない眼である。
このままではやられてしまう。そう思ったマキノは反撃に出る。
跳びよけて地面を横に1,2回転がった後着地したばかりのもう一人に向けて村雨(改)を投げる。着地したばかりでまだ態勢が不安定な上、この距離だ。そこらか避けることはできないだろう。
村雨(改)はもう一人のマキノの頭部に直撃した。さすがに、自分にそっくりにやつに当てるのは気がひけたのか少し手加減しての攻撃であったが、頭部にあたって動けるはずがない。
もう一人のマキノが倒れこもうとする・・・そう思った。一瞬にして、マキノの目の前からもう一人のマキノが消えてしまった。
マキノは立ち上がり、あたりを見渡してもどこにもいない。
たぶん気絶か何かすると消えてしまうのだろう。そう思いすぐさまタケシの方へ目を向ける。
「この偽物が!」
「俺は本物だ!お前こそ偽物だろう!」
・・・・子供の喧嘩?
そんなふうに思わせるような取っ組み合いを隣ではしていたらしい。
とりあえず二人とも村雨(改)で投げつけた。
片方のタケシが先ほどのもう一人のマキノ同様消えた。
「さあ、残りはあんただけよ!」
マキノが鏡を持っていたやつの方向を振り向く。しかし、そこにはまた一人ではなくそいつの他にもう二人並んでいた。
「ウソ・・・でしょ」
もう一人のマキノとタケシだった。
第十六話 続く悪夢
あとがき
滞納しまくってマジですいませんでした・・・
滞納したこともあるので少し長めに。
ん?あまり進展してないって?
そこら辺は御愛嬌でw
滞納しまくってマジですいませんでした・・・
滞納したこともあるので少し長めに。
ん?あまり進展してないって?
そこら辺は御愛嬌でw
bytaranoko